■2018年2月25日 横浜DeNAベイスターズvs東北楽天イーグルス
順には聞こえてくる。
全国の横浜ファンの魂の叫びが手に取るように分かる気がした。
「倉本、なんで待って捕るんだよ!?」
という合唱のような叫びが。
昨日、オープン戦初戦を完勝し、今日は宜野湾で気分よく試合が出来ると思ったら、試合開始直後から「また」である。
別に打者がアマダーだったのなら良い。
でも相手は足の速いオコエだったのだ、もう少し考えて守備が出来なかったのかと口を酸っぱくして言いたい。そんな選手になれと、そんな守備をしろと指導した覚えはないぞと強く言い渡したい。
実際に指導しているわけではないが、何度も同じことを(画面や球場の倉本に向けて)言ってきているので、気分的には指導しているようなものだと酷い思い込みをする。
「また倉本がやっちゃったね。なんでああなるのかな、改善しないのかな」
「なんでだろうねえ……」
妻である夕の素朴な疑問に、順は答えを持っていなかった。
今日はニコニコ生中継があるから試合を見ることが出来るが、試合開始直後から見せられるものとしては、ちょっとどうなのかと思ってしまう。別に倉本を叩きたいわけではないのだが。
案の定、ニコ生のコメントでも同様のコメントが飛び交っている。
誰も何の責任もないとはいえ、かなり酷いコメントもあり、こいつら何様のつもりだと自分が思ったことは棚に上げてそう思ってしまう。こういうのは、他の人が自分よりも酷く怒っていたり、酷い言葉を吐いていたりすると、逆に冷静になれるものだ。
しかし。
「ああ、最初のアウトにしておけばこれでもうさっさとチェンジだったじゃん! 余計な三点とか献上しちゃってなんだよもう!」
初回三失点。
そして打線は案の定、楽天のエース則本投手から点を取れる気配がない。いやでもここでフォローを入れておくと、則本投手からの初ヒットは倉本でした。
それでも濱口投手、初回以降は粘って無失点に抑えている。オープン戦でもあるし、まあ今の時期はこんなもんでしょうと思っていたら。
「S子ちゃぁん!」(←ルパン風に)
昨年、日本シリーズまでの陰の功労者であったといって過言ではないエスコバーがガツンと被弾。
あかん、オワタ……というコメントが画面に舞い踊る。
「まあ、オープン戦だしね」
余裕を見せるも、エスコバーが打たれるのは痛い。なぜって左腕王国なんて言われているけれど、中継ぎ左腕は田中健二朗、砂田が勤続疲労か精彩を欠いているのだ。タフネス左腕として頑張ってもらいたい、外国人枠はあるけれど。
投手陣がぼこぼこにされつつあるが、それでも後半になると楽天の投手陣をどうにか攻めて、ソト、中川の連打から乙坂の3ラン、さらに佐野のホームランと若手、新戦力がきっちりアピールしてくれたのは救いであった。
15安打されて7失点、酷いと言えば酷いが、試合にはなったかなと思う。
「しかし、2イニングで5人のランナー出して無失点のミッシーはどう評価すれば良いのやら」
ルーキーイヤー以降は輝きを失っている三嶋、もう今年は正念場なのだ。個人的には頑張ってほしいというか、頑張ってほしくない選手などいないのだが。
「マジでDeNA最初のドラフト1,2さん、今年が崖っぷちだぞ。良く年以降のドラフト上位組は皆活躍しているんだからな」
なんだかんだと思い入れのある二人、どうか今年は結果がついてきますようにと願うのであった。
「……あれ、DeNA2年目のドラ1、2って」
「言うな」
夕の素朴な疑問に、やはり順は答えを持ち合わせていなかった。
というか、答えられなかった。