2018年4月5日(木) vs 阪神タイガース
結果:De0-2阪神
敢闘選手賞:東
朝からややひんやりとする風を感じていた。
前日までの夏のような陽気が一転して気温は10度以上も下がった。実は季節にあった気温であるのだが、肌寒ささえ感じるようだった。
陽が沈み、気温は更に下がり、雲に覆われた空は重苦しい。
湿った空気はベイスターズ打線をまるで象徴しているかのよう。
つながらない打線、チャンスで打てない打線、とうとうそれを見かねたのかスターティングメンバ―の名前が変わる。
桑原が消え
楠本の名が入る
聖域はなくなった、それを感じさせた。
それでも立ちはだかるは難敵、ランディ・メッセンジャー。
速くて強い球、制球力、変化球、スタミナ、どれをとっても一級品でまさにタイガースの誇るエースだ。
案の定、ベイスターズ打線はメッセンジャーの前に手も足も出ない状況が続く。
だが、そんなメッセンジャーと堂々と渡り合うのは新人、東克樹。
ドラフト一位の実力をいかんなく発揮し、メッセンジャーに負けじと投げ続ける。
曇った空、そこから一筋の光が差し込むように感じる、そんな投球。
唯一のピンチで犠牲フライを打たれたが、7回を投げてその1失点のみ、奪三振は9を数えた。
本来なら十分すぎる投球であり、勝ち投手でもおかしくないのだが。
空から降る冷たい霧雨のごとく、打線は冷え込んだまま淡々と凡打を繰り返し、メッセンジャー、そしてドリスの前にあえなく0を並べるのみ。
「・・・・だああああっ!! あったまくるわねぇ!!」
帽子を床に叩きつける結乃。
何の罪もない帽子を拾い上げ、理衣は結乃を気遣うように言う。
「あれだけ良いピッチングをされちゃうと、そうそう打てないって結乃も言っていたじゃない」
「分かっているけれど、応援している身としては腹が立つに決まっているじゃない。筒香も、昨日とかのランナーがいるところで打ちなさいよね! この貧打、いつになったら解消されるのかしら」
結乃が声を荒げるのも無理はない。開幕してから攻撃で盛り上がれることが少なすぎる。ベイスターズは「打」のチームのはずで、打たなければ勝てるわけもない。
「最悪じゃないのは、京山、飯塚、東と、先発含む投手陣が崩れていないことね。そこまで駄目だったらどうしようもないけど」
とはいえ、打線が打ち始めたら投手陣が崩れ始める、なんてのもベイスターズではよくあること。
ホームでの開幕は1勝4敗。
最後の5戦目はチームを冷やす涙雨。
いや、あるいは悪いものを流してくれる雨となってくれるのか。
答えは、広島の地で分かるのか・・・・?