2018年4月21日(土) vs ヤクルトスワローズ
結果:ヤクルト5-6横浜
敢闘選手賞:三嶋、中川
「今日の勝利は大きいわ!」
試合終了後、ガッツポーズと共に立ち上がり吠える結乃。
「筒香選手のホームランで勝ったしね」
「そこんところは別にいいのよ」
「えええ・・・・」
「主砲が最後に決めて勝つ、別にそれはそれで良い事だけど、主砲が打って勝つためには、その前がないとありえなかったわけで」
「と、いうことは、今日のMVPは・・・・・・どぅるるるるるるるるるっ、じゃん!」
「もちろん、みっしーよ!!」
理衣の口ドラムロールの後に結乃が出した答えがそれだった。
だがそれは間違いのない真実。
先発のバリオスが3回5失点で早々にマウンドを降りてしまった後を引き継いだ三嶋。
3点のビハインドで、相手は押せ押せの攻撃モードになってくるところをきっちりと踏ん張り、3回を投げて無安打無失点、4奪三振と力投を見せた。
「先発が早い回で崩れた後のビハインドロング。それで勝ちを拾う試合なんて多くないけれど、それが出た試合だったわね」
「確かに、三嶋選手3イニングを投げてくれたから中継ぎも大量投入しないで済んだし、失点しなかったからこそ打線が少しずつその間に得点して同点に追いついたものね」
ドラフト2位で入団、ルーキーイヤーに活躍してオールスターにも出場し、開幕投手もつとめた男。だけどDeNAの投手事情から無理矢理に使われたせいもあり、結果は出せず速球の威力も落ちてローテ落ち、後輩にもどんどん追い抜かれていった。悔しくないはずはない。
それでもロングリリーフという位置を確保して一軍に生き残り、地味ながらも難しく重要な役割をこなしている。
「番長をリスペクトしているからか、ファン対応もよくてサインも時間のある限りしてくれるのよ」
「豆知識だね」
「そして同点打を放った中川! 三嶋に続くヒーローね」
「二塁ベース上ですっごい嬉しそうに何度もガッツポーズしていたのが印象深いね」
「中川に求められていたのはまさにああいう場面で打つことだからね。入団して初打点が9回土壇場での同点タイムリーだもん、込み上げるものがあったでしょうね」
「うぅ、涙が・・・・」
あわやホームランかという大飛球で追いついたベイスターズ。
対するヤクルトは勝ちパターンを使っていて、勝負の天秤は完全にベイスターズに傾いていた。
「となれば、主役が打って決めるのは必然の展開だったのよ」
「チームを支える人が活躍して、皆で勝った試合だね」
「これでまた首位、とはいえこの時期にそこまでこだわる必要はないわ。むしろバリオスが崩れてこの後のローテをどうするか、というところね」
バリオスも4試合投げて2試合好投したのだから悪いわけではない。むしろ、よく頑張ってくれていると言いたい。
「さぁ、明日はいよいよ・・・・」
「ウィーさんの復帰登板!!」
「故障明けだけに、前の試合で勝てたのは大きいわね。気分も楽に投げられるってものよ」
もちろん好投してくれるのが一番だが、仮にイマイチだったとしても初戦で勝っているので、万が一敗戦したとしてもダメージはそこまで大きくない。
「ウィーランド、そして次カードからは更に今永も戻ってくる見込みだし、ますます楽しみね!」
「二軍で球を受けていた高城選手がスタメンとかもあるかも?」