2018年5月18日(金) vs 読売ジャイアンツ
結果:巨人6-3横浜
敢闘選手賞:ソト
「石田は何やってんの!?」
「ああ、やっぱり怒った」
大きな声をあげた結乃の隣で、理衣はさもありなんといった風で幼馴染のことを見ていた。
「怒るに決まっているじゃない、なんなのよ。筒香が久しぶりのHRで先制、しかもあの菅野からよ、実に29イニングぶりの失点という相手よ。その菅野から先制した裏の回に逆転3ランをくらって! 梶谷のHRで同点としたすぐ裏の回にピッチャーの菅野に勝ち越しHRを打たれるって、馬鹿なの!?」
「あ、結乃、その言葉を言っては」
あわあわと慌てる理衣だが、結乃の怒りは冷める様子を見せない。
「点を取った直後に失点とか、ホントもうやる気なくなるわー。それも相手が菅野よ。せっかく取ったのにさー」
なんとかなだめたいが、実は内心、同じように思ってしまっている理衣も、何を言えば良いかわからなかった。
もちろん、石田だって打たれたくて打たれているわけではないだろうが、そのような投球だから、何かと文句を言われてしまうのは事実だろう。
「これでエース? 開幕投手? 笑わせないでよね」
もはや結乃の口を止めることなど出来ない。
「・・・・で、なんで武藤?」
「わ、私に言われても」
「まだ1点差よ。なぜ、昇格、初登板の武藤?」 結果論なのかもしれないが、結局は打たれてしまった。
戦力外の投手を獲得したのだ、この僅差で出すべきだったのか。もちろん、それだけ期待しているという意味で出したのかもしれないが。
「三嶋投手は良かったよね!」
「ミッシーは輝きを取り戻しつつあるわね。元々入団した時も、中継ぎ、抑え向きだとは言われていたしね」
この好調が続いてくれることを祈りたい。
「せっかく、あの筒香がようやく、それも菅野相手に打ったのにね」
「これで復調してくれるといいけどね」
「まあ、しばらく見ましょうか。今日はやっぱり初回で点が取れなかったのが痛かったわね」
「宮崎選手が・・・」
「そういう時もあると言うしかないわ」
ここは責めない結乃。
「むしろ、宮崎の2三振なんて、珍しいものを見たわ!」
「想定通りとはいえ、カード頭を落とすのは痛いわよね」
「2戦目の濱口投手に頑張ってもらわないとね」
「濱口か・・・・前回の登板はメタメタだったものね。少しは良くなっていれば良いけれど」
打線は水物だし相手投手の出来にもよるので良い投球をしても勝てるとは限らないが、とにかく濱口らしい投球でこの先もイケると思わせるピッチングを見せてほしい。
「向こうは田口だから、もしかしたらまた浩康がスタメンあるかもね」
「ベテランの味、頼りたいね!」
「ソトがまだ好調なうちに、打って、点を取って、勝っておきたいわ」
2戦目は是が非でも勝利しておきたい。
濱口の復活投球と打線の奮起を期待して。
「2戦目は、あたしたちも東京ドームに乗り込むわよ!」
「精一杯応援します!」