2018年6月29日(金) vs 広島カープ
結果:横浜5-4広島
敢闘選手賞:佐野、神里
「佐野選手、初サヨナラヒット!!」
手を叩いて喜ぶ理衣。
「とりあえず、連敗ストップね」
対して、なぜか冷静な結乃。
「あ、あれ、もっと喜ばないの、結乃?」
「浮かれていたら駄目よ。サヨナラ勝ちだけど、それってリードされていて最後にどうにか追いついて、ってことじゃない。理想を言うなら序盤から先制して、中押しして、駄目押しして勝つ、それが出来ていないのよ」
「き、厳しい・・・・」
「それに、大瀬良が交代していなかったらどうなっていたかもわからないしね。ツイていたのよ」
勝って兜の緒を締めよ、なかなかにシビアな結乃である。
「もっと褒めようよー、喜ぼうよー」
結乃の腕をつかんでゆさゆさと揺らす理衣。ミス連発で連敗していただけに、素直に喜びたいのだ。
「まあ、佐野はよく打ったわ。得点圏で全然打てていなかったって自分でも言っていたモノね。佐野に求められているのは出塁じゃない、返すことなんだから」
「初球から迷わず、強い打球だったね!」
しばらくは代打での出場になるだろうが、今回のような勝負強さをもっと発揮できるようにして欲しい。
ファンから、考えて野球をやってない、などと心無い野次を飛ばされないように・・・・
「あとあと、神里選手の起死回生の同点3ラン! イケメン!」
「イケメンは関係ないから・・・神里はよく打ってくれたけど、乙坂、柴田とつないだ二人も褒めてつかわす」
「上から過ぎる・・・・」
「サヨナラのときも、四球、犠打と、ちゃんと役割をこなしてくれたしね」
「石田投手も7回まで粘ってくれたしね」
「序盤の失点さえなければね・・・・大瀬良に打たれているんじゃないわよ。あたし的には、上がってきた加賀が良い投球を続けてくれているのが嬉しいわ!」
「味のあるサイドスロー、渋くていいよねっ!」
石田に求めているのはこんなものではないのだが、少しずつでも状態が良くなってくれればと思うし、イニングを稼いでくれるのは貴重だ。
何せイニングイーターが全然いなくて中継ぎが苦しかったのだから。
「色々あったけれど、勝った要因の大きなところは、やっぱロペスよね」
「復帰即マルチ、そしてホームラン!」
「なんだかんだいって、今の横浜の魂はロペスなのよね」
若い選手の多いチームの中、実績、実力、人望を兼ね備えているロペス。
ロペスが軸でどっしりといればこそ、周囲も落ち着くのか。
「まー、いつまでもロペスがいないと駄目、なんてのじゃいけないんだけど、まだ仕方ないのか・・・・」
「これからだって!」
「ま、これでなんだかんだと連敗ストップ、カードの頭を石田で、セリーグ最多勝の大瀬良相手に勝ったのは大きいわ!」
「これは、2017年の8/22-24の3連戦を思い出すような・・・・」
「だーかーら、サヨナラじゃなく、素直にリードして、先発投手に勝ちが付いて、抑えにセーブがつく試合の方が良いんだって」
「そ、そうだけど、思うくらい良いじゃない」
「そうね・・・・」
「・・・・・・・?」
「よぉーーーーーーっし!!! 勝ったわよーーーー!! だっしゃらぁあああーーーー!」
両手を天に突き上げ、吠える結乃。
「え、今?」
「やっぱ、勝った時は素直に喜んでおくべきよね! それも追いついてのサヨナラだし!!」
現金な結乃だが、その通り。
これでかろうじて踏みとどまったのだから。
残り2試合の広島戦、もっともっと、熱い試合を見せてほしい。
「・・・・ちなみに、倉本も復帰してマルチだったわね」
頑張れ、倉本!
激弱の下位打線(6番以降)を救うのは君だ!