2018年7月29日(日) vs 広島カープ
結果:横浜 雨天中止 広島
敢闘選手賞:なし
「やっぱり、雨天中止だったわね」
「台風出し、仕方ないよ」
早々に試合中止の判断がされたことを受けて、結乃と理衣は仕方ないと頷きあう。
「雨天中止になっちゃったけれど、そうすると何を話す?」
首を傾げる理衣に対し、結乃はこれみよがしに頷いてから口を開く。
「そうねえ・・・・伊藤光について考えみましょうか」
「イケメン捕手!」
「それは良いから」
呆れたように息を吐き出す結乃。結乃とてどうせならイケメンの方が好きだが、最も重要なのは野球が、プレイがイケメンかどうかというところだ。
「・・・プレイがイケメンて何?」
「さあ、話しましょう!」
都合の悪い質問は答えない。まあ、言葉の雰囲気でなんとなくわかるだろう。
「伊藤が入団してからチームは勝ったり負けたりの繰り返しで、勝敗的にはあまり変わらないわよね」
「オールスターあけだと、5勝6敗だね」
「そのうち嶺井がスタメンマスクで1勝しているから、伊藤だけだと4勝6敗。そこまで良くない」
「で、でも」
「分かっているわよ、いくら経験があるっていっても他球団も味方投手も情報不足、捕手というポジションでそうそう結果を出せるかというと難しいわよね」
負けた試合も失点が多く、リードのせいなのか、投手の力不足なのか、その辺は判断が難しい。
「ただ、捕手のリードで防げる失点なんてわずかだとも言われているし、戸柱や嶺井がマスクかぶっていたら抑えられていたかというと分からない」
「たらればを言っても仕方ないということだね」
「そう。重要なのは伊藤を主戦捕手で使うと決めた首脳陣のメッセージだと思うの」
結乃は語る。
戸柱、嶺井、高城では駄目だった。ここで言う駄目とは、「優勝」を目指すにあたってと言うことだろう。
今のセリーグ順位であれば、Aクラスなら十分に狙えるのだから。
「色々情報不足も織り込んで、伊藤を使っていこうということは、それだけリスクを取っても賭けにでたってこと。もちろんその前提として、捕手としての技量が高いことがあるけれど」
「確かに、みていてなんか安心感があるよね」
「まあ、これだけゲーム差あると今までと同じ事やっていても上には行けない、何かを変えないとってのがあるのは事実よね。それが伊藤であり、ソトのセカンド起用よね。どんな結果になるか分からないけれど」
リスクを取らないでリターンを得ることはできない。
「でも、賭けに出るだけの力はあると思うわよ。勿論、大量失点もしたりしているけれど、1回りしたら落ち着く可能性も結構、高いと思うの。まあ、投手の出来が駄目駄目だったらそもそもキャッチャーでどうにかなるものでもないし」
「打撃でも期待できそうだしね」
「そうね、粘ることも出来るし」
簡単に凡打しないというのも大切である。打率も、.250くらい打ってくれれば、今までの捕手陣より遥かにマシだ。
「ヘルニア持ちだし、激務でもあるから週1とかで休ませるだろうけれど、スタメン起用しない選手ではない。来期以降のことを考えてもね」
「そうだね、一軍の試合に出ないと、一軍のデータを体で覚えること出来ないもんね」
「そう、そういう意味ではオリックスで干されていたから、一軍感覚が鈍っているというのもまだあるかもね」
だから、どんどん1軍でスタメン出場し、感覚を取り戻してほしい。
「もちろん、嶺井も戸柱もこれで良いなんて思ってないだろうし、伊藤の良いところを吸収してくれないとね」
「逆襲にも期待したいね」
「まあ、比べるとやっぱり伊藤は高い壁になりそうだけどね」
「伊藤捕手が出れば、スタメンの顔面偏差値も爆上げだしね!」
ファンからの期待しかない伊藤捕手。
大量失点を危惧しているファンも多いが、そんなものを吹き飛ばして欲しい。
そして横浜から捕手でGGを!