2018年9月15日(土) vs 読売ジャイアンツ
結果:横浜3-1 巨人
敢闘選手賞:平良
菅野vs平良。
これで「勝てる」と思っていた横浜ファンは果たしてどれだけいたであろうか。
「凄い、平良投手、ナイスピッチング!!」
理衣は素直に喜んでいる。
「マジで!? 平良で菅野に勝った!」
結乃もまた、勝てる可能性は限りなく低いであろうと思っていた。
なんでよりによって久しぶりの球場観戦で菅野が先発なのだと、自分の不運を嘆いていたくらいだ。
「いやぁ、でもこの試合は平良のお蔭よねぇ」
ビクトリー・セレブレーションを見ながら呟く結乃。
「初回の坂本選手のヒットだけだったもんね」
「四球もなく、本当に苛つくこともなく観戦できるなんて、信じられなかったわ」
「まあ、7回に重信選手に三塁打うたれちゃったけど」
「あれは筒香でしょ! せめて前に落としなさいよ!」
またしても照明が目に入ったのかは分からないが、後ろにそらして三塁打。
マギーにタイムリーを打たれて一点差とされてしまった。
「あれはエラーにして欲しかったわね。平良の自責点になっちゃうなんて、ちょっと可哀想ね」
「でも、一点で済んで良かったね」
「この試合では、良い辺りに見えたのも正面をついていたりしたもんね」
ついていたのか、それとも平良の投球が引き寄せたのか。
「前の試合のパットンの怒りが、この流れを呼んだのかもよ?」
どちらかという大人しい選手が多いベイスターズ。判定などで怒りや感情をむき出しにすることも少ない。
パットンも穏やかな性格だが、そのパットンが怒りをあらわにして退場まで至ったのだ。
もしかしたら、中継ぎ陣のハートに火をつけたのかもしれない。
「エスコバーの時も、パットンの時の亀井の打球も、最終回の坂本のあたりも、そういうのがあったのかもね」
他にも幾つか良い当たりはあった気もするが、全て守備範囲内に収まっていたし、守備もよく集中していた。
「テンポの良い投球が守備にも影響したのかもね」
「そうね、逆に巨人は守備が足を引っ張ったからね」
初回、ロペスのフライを落球して先制点。
そして、まさかの菅野の押し出し。
菅野を打ち崩すことはできていないが、ミスと四球で2点をもぎ取った。
「打線は抑えられていたけれど、相手が菅野だから、そこを強く言う気はないけれどね」
「それでも投手がかわった8回、筒香選手の二塁打の後、柴田選手が貴重なタイムリー!」
「あの1点は大きかったわね! 何せ1点差で康晃じゃあ、不安で仕方なかったし」
「またそんなこと言って。三者凡退にしたのに」
「2点差あったからこそ、気持ちも楽だったかもしれないでしょ」
いずれにしても2試合連続で三者凡退。
暑さもピークを過ぎて調子も少し戻してきたのかもしれない。
「さあ、これで三位まで1.5ゲーム差!」
「というか、4-6位が0ゲーム差内だからね、凄いね」
「ま、低レベルだけどね!」
「食らいついていることに変わりはないから。そして次は苦手の阪神さんとの2連戦!」
「いい加減勝ちなさいよ、ってとこなんだけど、今永かぁ・・・・」
渋い表情を見せる結乃。
「相手は藤浪投手、ベイスターズ戦ではいつも良い投球をされるからね」
「だからこそ、ここに持ってきたんでしょうね。阪神打線は、横浜戦になると打ちまくるしねぇ」
他のチームを相手にしている時と全く違うチームのように思える。
なぜ、こんな強いチームが最下位にいるのか。
「今までの悔しさをぶつけて連勝するわよ!」
「そうすると本当に三位が見えてくるね」
「最後まで行ける限りの上を目指すのよ!」