2018年振り返り #22 そろそろ出てこい天然右腕 熊原 健人
「結局、一軍登板はなかっわね」
「うーん、熊さん、イケメンなのにね」
「またそれ?」
理衣のイケメン発言に、腕を組んだ姿勢でギョロリとねめつけるように見据える結乃。
「だって、イケメンじゃない」
「天然ボケすぎるけどね。まあ、キャラは好きよ」
とは言っても、野球で結果を残してくれないと意味がない。
一軍で登板なかったため、二軍での成績となる。
#22 熊原 健人
当番試合 : 18
投球回数 : 63
防御率 :3.29
勝利 : 2
敗北 : 4
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 51
「ドラ2だけど3年間終わっちゃったわよ! 素材型とはいえ、もうのんびりしていられないからね!」
「うーん、伸びなやみ?」
「馬力はあると思うんだけど、制球力と、コレというものが欲しい気はするけれど」
「球速はあるけれど、打ちやすいストレートとか言われていたりもしたよね」
「あたしは素人だからよくわからないけれど、肩が開いて見やすいとかも言われていたようないないような?」
いずれにしても、二軍からの推薦が出ないから一軍に上がれなかったわけで。
推薦が出ないということは、何かしらダメ出しをされているわけだ。
「一年目、二年目と、勝ち星は順調に伸ばしているように見えたけど」
「勝ち星よりも、内容でしょ。防御率は悪くなっているし、勝った試合も打線の援護に恵まれていたし」
「うーん、厳しい状況ってこと? 一軍登板もなかったし、点数は?」
「10点かしらねぇ。1軍に出てこれなかったことを考えると」
「先発ではなく中継ぎ転向という話もあるけれど?」
「そうね、三嶋の例もあるし、短いイニングを全力で、という方でやってみるのもアリね」
「結果が出ると良いんだけど」
「なーんか、熊原は何をしているのを見ても心配になるのよね。大丈夫なのかしら? って」
天然で発言もちょっと不安で、球場内でも道に迷ってしまうような熊原。
だが、身体能力は間違いなくあるはずなのだ。
それを上手く使えるよう、コーチングができると良いのだが。
「見ていると、うぅん、頑張れぇ、って言いたくなっちゃうキャラね」
「文字だと伝わりづらいけれど・・・・」
「頑張れー! って感じじゃないのよね。ドキドキしながら内心の思いがつい声に出てしまうような?」
「なんとなく分かるけれど、熊さん、いつまでもそれじゃあだめだよね」
「独特の間が野球に活きると良いのだけど」
素材型とはいえ、大卒なら3年経ったところで結果を出したい。
2019年は熊原も勝負の年だろう。
「大活躍して人気出て、さらに沢山サイン出来るように頑張って!」
「なぜにサイン?」
「熊原といえば、何回もサインを変えているからね。特に一年目のサインは凄かったわよ!」
「ああ、背番号変わってまた貰いに行ったときに見せたら、本人も何書いているかよくわからなかったという」
「コーチも呆れていたしね。そんな天然の熊原を応援したい!」
一年目のサインは貰った方も衝撃的なセンスであった。
今は普通のサインになってちょっと物足りなくも感じてしまうが、そんなネタいらないから野球でネタをくれ、熊原!