2018年振り返り #35 横投げは捨てた? 度胸とテンポで投げ込む! 三上 朋也
「今年もたくさん投げてくれました、三上投手!」
手を叩く理衣。
「そうね、これで二年連続で60登板以上だもんね」
結乃も頷く。
「どんな場面でも出てくる、頼もしい三上投手の成績です!」
じゃーん、という感じで紹介する理衣。
#35 三上 朋也
当番試合 : 65
投球回数 : 56
防御率 :3.05
勝利 : 1
敗北 : 1
セーブ : 0
ホールド : 25
奪三振 : 40
「防御率が随分とよくなったわね」
「えーと、2017年は・・・・うわっ、5点台!?」
「そう、2017年も良く投げてくれたけれど、印象が悪かったのは打たれていたからよね」
「それと比べると、2018年は」
「打たれていたようなイメージもあったけれど、まあ競った場面も登板数も多いから、打たれた場面が印象に残ってしまう中継ぎの宿命かもね。あと、2017年のイメージ」
事実として、2018年は向上したといって良いだろう。
「ということで、80点はあげられるわね!」
「偉そうだなぁ・・・・でも、高得点!」
「うまくいった要因としては、投げる場面をきちんと考えて登板させていたってのはあると思うわね」
「というと?」
「なんていうか、三上って、打たれる打者にはとことん打たれるようなとこあるからね。以前みたいに1イニング任せるじゃなくて、砂田なんかとセットで、2人で1イニング、なんてのも多かったし」
「なるほど、得意、苦手を左右の二人でうまいこと分担していたと」
「そんな気がするわ。1人だけ投げておしまい、なんてことも結構あった気がするし」
「あとさ、三上投手といえば、横から投げたり、上から投げたりしていたじゃない。それ、なくなったよね?」
首をかしげて疑問を呈する理衣。
「どうやら上一本にしたみたいね」
「なんでだろうね?」
「分からないけれど、横から投げるのが、負担がかかっていたからではないかしら?」
三上の横手投げといえば、微妙に変化する、いわゆる「汚いストレート」
ルーキーの年はそれが武器になっていたのだが、年を追うごとに投げる機会が減っていたような気はする。
やはり、肘に対する負荷が高かったのか。
「あのストレートは武器だったんだけど、でも怪我したら元も子もないからね」
「そのかわり、上手投げのストレートは150キロを超えるような速球!」
「ただ、綺麗なストレートみたいで、横からの140キロのストレートよりよく打たれるのよね」
この辺が難しいところであり、面白いところでもある。
「三振数が減っているのが良い証拠よね。打たせて取る方に舵を変えていると」
「投球スタイルは変わっても頼もしいよね。いつも淡々と投げて」
「ふてぶてしいわよね。どんな場面でも、例え打たれても、『俺知らねえ』みたいな顔して。俺のせいじゃないし、みたいな」
「それくらいじゃないと、厳しい場面で中継ぎとか苦しいんじゃない?」
「メンタルが強くないとね。あと、テンポよくがんがん投げ込むとことかね」
「あー、確かに、三上投手は速いよねー」
ただそれ故に、ちょっと目を離しているうちにいつの間にか四球を出していたりして、ランナーを出すのもテンポが良い。
「私はそれを、『高速四球』と呼んでいたけどね」
「嬉しいことじゃないね・・・・」
「関係ないけど、三上って意外とよく喋るわよね」
「あー、キャンプの時とか、結構おもしろいよね」
その辺のギャップもなかなかに楽しい選手である。
「2019年も、おそらく同じような立場、結果が求められるでしょうね」
「怪我をしないように頑張ってほしいね!」
「2018年は100ホールドも達成したし、次は150ホールドね!」
「頼りにしています、選手会長!」
年齢的にも中継ぎ投手陣のリーダーとして頼むぞ、三上!