2018年振り返り #57 身体能力を活かせ。未完の大器 青柳 昴樹
「青柳っ! 目立たないわね、二軍でも」
「でもほら、高卒野手は難しいでしょう」
「だとしても、二軍でも今のところ目立った成績を残せず・・・・」
「高卒だから、5年、5年は見ても良いんじゃないかな?」
必死に擁護する理衣。
そんな青柳、二軍での成績である。
#57 青柳 昴樹
出場試合 : 78
打数 : 155
打率 :.213
安打数 : 33
HR : 1
打点 : 10
盗塁 : 0
「確かに、二軍でもちょっと、数字は・・・・」
擁護していた理衣も口ごもる。
「どうなのかしら、他の高卒の野手と比べると」
首を傾げる結乃。
分からないが、決して良くはないだろう。
「珍しく大阪桐蔭から入ったということで期待していたんだけど!」
「ほら、まだ素材なんだよ、きっと」
「その素材を鍛え上げることが出来ないのは、やっぱりコーチの責任よね」
ここ数年、二軍から野手の突き上げが感じられないのは事実である。
「でも正直な所、このままじゃ危険よ、高卒とはいえ」
「だからこそ、2018オフはオーストラリアの方に行ったんじゃないの?」
「何かしら掴んでくれるとよいけどね。右の大砲候補として入ったけれど、細川にその名は完全にとってかわられているし」
「身体能力は、青柳選手も良い物を持っているはずだもんね」
二軍でもなかなか打撃で良いところを見せられていない。
長打も多いように見られない。
4年目になるところとはいえ、あまり余裕ぶってはいられないはずである。
「でも、首脳陣の期待は高いみたいだね」
「182センチ、84キロと体格的には良いしね。ドラフト下位、伸びしろを期待しての獲得だからね」
「だったらやっぱり、まだ長い目で見ていかないと!」
「大阪桐蔭の西谷監督の言葉を信じるしかないわね」
「どんな言葉?」
「実績では(中日の)平田や浅村には及ばなかったが、身体能力では彼らより上。振り切る力があるし、足もある。スケールの大きな選手になってほしい」
「おー、凄いじゃない!」
「そのスケールの大きいところを伸ばせるかどうか。そして、そのスケールの片鱗でも見せて欲しいわね」
「技術は教えられるけれど、持った体の大きさや身体能力は変えようがないからね」
「2019年は、一軍を一試合でも経験できるくらいになって欲しいわね!」
「ファンは楽しみに待っていますよー!」
近い将来、外野手争いに割って入ることを期待して。
開眼を待つ、青柳!