開幕ローテはがまた乱れてきたぞい。京山浮上か?
「開幕一週間前になって、ローテがまた変動してきそうね」
結乃が唸るようにして言う。
「何があったの?」
結乃の様子を見て、理衣が問いかける。
DeNA飯塚 23日西武戦先発を緊急回避 コンディション不良
「あらら・・・・たいしたことないといいね」
「風邪くらいならよいけど、故障じゃないでしょうね」
ようやくローテが固まったかと思えばこれである。
「しかも、上茶谷が!」
拳をテーブルに叩きつける結乃。
「えっ、まさか上茶谷投手にも何かあったの!?」
「大学の卒業式で登板日がずれて、開幕2戦目じゃなくて2カード目のヤクルト戦の先発になりそう!」
「ああ・・・・2戦目に観に行く予定だもんね」
嘆く結乃を見て、理衣は宥めるように結乃の髪の毛を撫でる。
「・・・・まあ、上茶谷はおいておいて。これで浮上したのが京山ってことね」
「前回は2軍で好投したみたいだし、中日戦は昨年の最後に準完投したしね」
「先発ローテ争いだって甘くないんだから、せっかくのチャンス、掴んだら離さないくらいの気持ちで言って欲しいわね」
そして飯塚は腐らずに這い上がれ。
しかし、なんかこう、飯塚はもっていない。
「これで開幕カードが今永、京山、井納。次が濱口、上茶谷、大貫・・・・?」
「同一カードにルーキーが二人って、バランスが悪くないかな?」
理衣が不安そうな表情を見せて言う。
「確かにそうだけど、もうプロってことで、やってもらうしかないわ!」
「・・・そうだね。仮に飯塚投手や京山投手でも、年齢的にはルーキーと変わらないもんね」
「そうそう、さっきも言ったようにチャンスと思ってどんどんいきなさい! 仮に打たれても首脳陣のせいだから!」
「それくらいの図太さがあってもよい、ってことだよね」
俺は悪くない、それくらいの意識を持って投げてくれても構わない。
「それこそ、三上のようにね!」
「え、三上さんってそうなの?」
「そんな感じじゃない? どれだけ打たれても、『お前らちゃんと守れよ』みたいじゃない」
「さすがにそれは・・・・」
「メンタルの強さを見習いなさい!」
「うーん?」
さて、一週間前にしてこれだが、それでも2018年よりはまともなローテが組めているはずだ!