2019年4月29日 巨人戦
結果:横浜5-3巨人
敢闘選手賞:石川
「大和ーーーっ! よく打ったわ!」
「同点!」
8回の表、先頭の宮崎が出塁し、代走の柴田が3塁まで進むも2死。
ここで打てなければ、という場面で大和が綺麗にセンター前の同点タイムリー。
前打席、陽のファインプレーで同点、逆転できなかった分をここで返した。
「さあ、ここは雄洋、つないで!」
なおも2死ながら1塁、つなげば最近、ヒットが出ているソトに回る。
どうにかしてほしい、昇格して即スタメン、2安打している石川に、ファンが祈りをささげた、その瞬間。
石川のバットが振り抜かれる。
一瞬、声援が止まる。
「行け、行けっ、届け!」
「行けーーーーーーっ!!!!」
ファンの声が一つになる。
そして。
「……う、わああぁぁぁぁぁーーーーーっ!」
「入った!? え、入った!?」
ライトスタンドに突き刺さった、勝ち越しの2ランホームラン。
10連敗、苦しかった。
9回2死までいきながら、勝利目前にして勝てない試合もあった。
打線を組み替えても点が取れなかった。
そのような状況下、二軍から昇格してきたのはチームの日本人野手では最年長の生え抜き。
石川雄洋。
チームはようやく、一つになった。
「今日は石川祭りね!」
試合を観終え、結乃が両手を振り上げる。
「格好良かったね、石川選手!」
理衣ももろ手を挙げて喜んでいる。
「石川の強みは、クソのTBS時代に叩かれる象徴となって、それでも今まで行き残ってきた最後の暗黒戦士ってことよね」
そして表には出さないが努力と根性でやってきた男でもある。
「これは、どこのブログも雄洋で持ちきりになるわね!」
「そういう発言も・・・・今日は、いいよね!」
「10連敗のチームを救うのが、生え抜き最年長のベテランとか、最高じゃない! この試合で勝てないようじゃあ、本当にもう終わっていたわよ!」
「でも、石川選手が2番に入って、なんかちょっと変わったよね?」
「エンドランではちゃんと引っ張って叩きつけたし、内野安打もあって、石川らしさが出せたし、そういう打撃が出来る数少ない選手だからね」
繋ぎが出来る、だから打線も点ではなく、線に近くなったのだろう。
「とはいえ、残塁祭りは変わらないけれどね。返す人がちゃんと打てないと、得点にはならないから」
筒香、ロペスが音無しで、効率の悪さは相変わらずではあったが、少なくとも塁上は賑わせた。
「投げる方では、上茶谷投手、惜しかったね」
「4回までは良かったんだけど、やっぱり四球よね。勝利を意識したのか、びびったのかわからないけれど」
「次こそ、初勝利に期待!」
ランナーを出してから、であろうか。
「あとはやっぱり国吉が2イニングきっちり抑えてくれたし。今年はそういう位置でしっかり投げて欲しいわね」
「これでもう2勝目だもんね。去年の三嶋投手みたいに頑張ってほしいね」
ヘンにオープナーとか役割を変えるのはやめよう。
器用な投手とも思えないのだから。
「さあ、連敗止まったと思ったら、なんと4/30、平成最後の試合の先発が進藤!?」
「これは、ブルペンデー、ってことかな?」
「きっと、そうでしょうね。確かに先発いないけれど、パットン落としたからバリオス・・・・2軍で投げたばっかりなのか」
果たしてどうなるのか。
先を考えず全力で投げて欲しい。
「さあ、オーダーを考えるわよ!」
「え、勝ったのに!? 変えないんじゃない、さすがに?」
「あえてね!」
1.大和(遊)
2.石川(二)
3.ソト(右)
4.筒香(左)
5.ロペス(一)
6.梶谷(中)
7.嶺井(捕)
8.柴田(三)
「進藤はよく分からないから嶺井にリードさせて、宮崎はさすがにこの試合もノーヒットだから交代で」
「うーん、どうなるかな。雨の確率も高そうだしね」
「さあ、これからいくわよ! 石川のおかげでまとまりかけた状態を潰すようなことはしないようにね!」
まだまだ諦めちゃあいない。
ベテランが見せてくれた。
他の野手も見習い、かましてくれ!
平成最後、勝利で締めくくろう!