2019年5月25日 阪神戦
結果:横浜6-5阪神
敢闘選手賞:上茶谷
「もっと、ちゃんと勝て!!」
ようやく阪神戦の連敗を止めたのだが、結乃の表情は苦虫を噛み潰したようであった。
「喜ぼうよ、勝ったんだから」
なだめようとする理衣。
まあ、結乃の気持ちも分からなくはない。
「別に、6-3まではいいわ。上茶谷は無失点だったし、打たれるまで投げさせるのは。だけどその後、康晃! 急遽だったとはいえ、きっちり抑えなさいよ!」
一点差にまで詰め寄られたのだ。
「8回終わって6-0が、6-5までって! 木浪にまーた打たれて、この先のことも考えろっちゅうの!」
6-3で終わったなら、糸井の一発だけで終われたのだが。
これで、阪神への苦手意識も消えるどころか余計に嫌な感じである。
「と、とにかく、勝つことが何よりじゃない?」
「それは最低限、この試合の展開なら、つけ入るスキを与えずに勝たないと!」
9回は、エラーこそついていないがミスが続いた。
ミスは必ず点につながる。
こういうところを神里や柴田はどうにかしないと本当に困る。
「というか、どう考えてもセンター桑原でライト神里じゃないの? 守備固めでしょ。阿保なの!?」
「ちょ、ちょっと結乃」
どうどう、と抑えようとする理衣だが、結乃は収まらない。
「神里は守備下手くそなんだから、素直に桑原センターにしなさいよ、誰が守備位置決めているのよ!」
多くのベイスターズファンはそう思っているような気がする・・・・
「で、でも、攻撃は見事だったよね!」
「審判が悉く際どいところをとってくれなかったから、メッセがイラついてくれたわね」
微妙なところで確かにボールクサいのだが、ストライクと言われても仕方ないようなボールが多かった。
ゾーンの広い審判ならどうなっていたか。
「久しぶりのタイムリーは宮崎選手!」
「軽打でセンター前ね」
「さらに筒香選手の2ベース!」
「大きいのを狙わず、これでいいのよ!」
「最後はロペス選手のタイムリー!」
「これがなかったら最終回、ヤバかったわね」
色々とツキもあったのかもしれないが、苦手のメッセンジャーから点を取り、阪神に勝てたという事実を大切にしたい。
「そうだけど、本来は2回にもうちょっと、ねえ」
「あぁ・・・・無視満塁だったもんね」
「3連続四球で満塁のところ、中井はなぜ初球から? 待っていた球ならまだ良いけれど、どうだったの!?」
「というかメッセンジャー投手、9四死球だね」
「むしろよく6回まで投げさせられたものよ。舐められてんのよ! 他の球団からは勝ってないんだからね!」
この試合はたまたま勝てたが、まだ攻略したわけではない。
次回に向けてきっちり対策をして欲しい。
「色々と文句はあるけれど、勝利することが第一。3戦目、快勝しなさい!」
「3戦目は濱口投手! 今季は2完封!」
「安定しているからね、あとは打線が点を取れるか。先発が変わると一気に流れが変わるから、濱口には完投してもらいたいわね!」
「勝ち越して、週明けを迎えたいね!」
「勝ち越すのよ!」
正拳突きのように拳をつきだす結乃。
今度こそ、阪神をやり込めてほしい!