「交流戦の2週目を終えて6勝5敗1分けね」
結乃が改めて成績を見ながら言う。
「勝ち越しているし、交流戦全体でも5位と、良い位置につけているね!」
理衣が嬉しそうに言う。
「あまーーーーーい!!!」
「ぐえぇっ!?」
結乃の手刀が理衣の脳天に炸裂した。
「甘い、甘すぎるわ理衣ちゃん! 喫茶ルノワールのコーヒーより甘いわ!」
「意味がわかんないんだけど、殴ること無くない!?}
涙目で抗議する理衣。
「理衣ちゃんが甘すぎるのよ! 本来なら最低でも7勝5敗、8勝4敗はしているはずだったのに!」
「どこからそんな強気が・・・・」
「それもこれも、打線が繋ぎの意識がないからよ!」
と、結局は打線の批判にいくわけだ。
「そんな極貧打線だというのに、最終週でまたローテ変更よ!」
「若手三人の競演! 楽しみだね!」
「でもこれ、3連敗してもおかしくないローテよ。相手は日ハムよ」
今季未勝利の平良、阪口に、ルーキーの大貫である。
「それに、中継ぎ陣酷使も目に見えているじゃない」
誰も長いイニングを投げていない。大貫が一度、7回を投げたことがあるだけだ。
5-6回で交代となれば、当然ながら中継ぎ陣にしわ寄せがいく。
「まあ、パリーグにぶつけて経験を積ませるのもありだけど。それなら、腰を据えて投げさせてほしいわね」
育成をとるのか、勝利をとるのか。
もちろん、両方が達成できればいうことなしなのだが。
「ということで、最終週の目標は4勝2敗! トータルで10勝7敗を最低限のハードルと置くわ!」
「それが最低限って高くない!? 言っていることと矛盾する気が」
「横浜6連戦で、勝ち越さないでどうするのよ!? 絶対に勝つわよー!」
「ちなみに上沢投手や左腕の加藤投手、楽天も岸投手とか投げるけど」
「関係ないわよ、誰が相手でも勝つのよ!」
先発ローテも、打線のつながりも、宮崎の怪我も、筒香の状態も、不安は多いがやるしかない。
まずは初戦、とりましょう!