2019年6月30日 広島戦
結果:横浜2-2広島
敢闘選手賞:佐野、エスコバー
「いやー、よくもまあ、負けなかったもんだわ」
長かった死闘を終え、結乃の開口一番の一言である。
「サヨナラできなくて悔しがらないの?」
理衣も、不思議そうに尋ねる。
「そりゃ悔しいわよ! でも、負けてておかしくなかったわよね、流れ的に」
「終盤に逆転されて、だもんね」
「勝ちパターンの連投が続いていたのは分かるけれど、1点リードで藤岡はどうなの? 確かに右の強打者が続いていたけれど、藤岡はビハインドで好投していたのに」
「うーん、難しいところだよね」
「頭から石田か、国吉でよかったんじゃないの。まー、結果論かもだけど」
抑えれば良い継投だったと言われたのであろうが。
「9回には無死満塁の大ピンチ! よくまあ、点を取られなかったわね」
「国吉投手、踏ん張ったね!」
「踏ん張ったけれど、それ以上に広島の攻撃陣の調子が悪いんでしょ」
「最近のベイスターズは無死満塁で踏ん張るね」
ソフトバンク戦でもかろうじて抑えた記憶があった。
「そもそも無死満塁にするな!」
見ている方は心臓に悪すぎる。
「そして、休ませるはずが延長に入って結局、エスコバーが3連投でしかも2イニング!」
「頭が下がるよね・・・・」
「わずか17球で2イニングと省エネだけど、本当に壊れないか心配だわ!」
リーグ1の登板数である。
もう少し、休ませたい。
「久しぶりに登場の康晃投手も、この日は問題なしだったね!」
「同点の康晃は怖すぎるけれど、こういう日もあるってことね」
ストッパーに対する信頼度ではないが、まあ良し。
「攻撃陣では、9回2死から同点タイムリーの佐野!」
「頼りになる代打! さすが!」
「そしてもちろん、大和の2塁打があってこそ!」
「こちらも本当に最近は頼りになる打撃!」
どうにか追いついたのはチーム力がついてきたのもあるが、相手の不調も大きかった。
これで上位にいけると思ったら大間違いである。
「とりあえず、2番ソトはどうなのかしら? 初戦だけで、結局2,3戦目はつながらなかったし」
「2番に足のある選手を使いたいよね」
「負けるまでは今のままでいきそうだけどね・・・・」
この打線では、BIG4に長打が出なければ点はほぼ入らない打線となっている。
得点力の向上は諦めたのか。
「まあそれでも2勝1分けでスタートしたから、この勢いで苦手の阪神戦をどうにか勝ち越して借金完済! といきたいわね」
「阪神さんも調子がよくなさそうだしね」
「そんな阪神が調子を取り戻すのが横浜スタジアムなのよねぇ」
「あぁ・・・・」
どよんとする二人。
「でも、もう、そうもいかないわよ! ねじ伏せるのよ!」
「そうだよね、ここで勝たないと上位なんていけないし」
「選手達も、やられたら、やり返せ!」