後半戦開始後のホーム７連戦で５勝２敗と勝ち越し、貯金を１としたベイスターズ。
ここから、今度はビジターでの６連戦となる。
相手は苦手の阪神、そして先発が長いイニングをくえず中継ぎ陣には疲労が見える。
本格的な暑さをむかえるまえ、巨人を追うためにも重要な６連戦であろう。
「ここで４勝２敗で勝ち越せばいいのよ！」
結乃は相変わらず強気な発言をする。
「ビジターだし、５割でいければ････」
理衣は現実的なことを口にする。
「なーにいってんの、５割じゃ貯金は増えないし、上とのゲーム差は縮まらないわよ！」
巨人が５割でいけば差は変わらず、むしろ広げられる可能性もある。
「今３連勝中だからね、今までの借りもあるから阪神にも３連勝したいわ！」
「そりゃ、誰だってしたいだろうけれど」
出来るかどうかは別である。
「するのよ！ 上茶谷、濱口、今永の完全表偏重ローテよ！ ここで勝たず、いつ勝つのよ！！」
テーブルに拳を叩きつけ力説する結乃。
「相手だって良い投手も出てくるし」
「とはいえ、ここにきて阪神の中継ぎ陣も疲れからか打たれてもきているからね。つけ入るスキはあるはずよ」
結乃は虎視眈々と狙い定めるような目つきをしている。
「とりあえず、ベイスターズ戦になるとよく打つ阪神打線を抑えることが先決！ 特に近本は塁に出さないように！」
「オールスターでサイクルも打ったし、調子も良い感じだよね」
「機動力もあるし、とにかく近本を封じましょう。ま、他の選手にもよく打たれるんだけど」
「なんでだろうねぇ」
理衣は困ったように首を傾げる。
本当に困る。
「そして守備と走塁。甲子園ではとにかくこの２つのミスで負けているわ！」
「ぅう、嫌な記憶が････」
理衣が頭を抱えるのも分かるくらい、甲子園ではへっぽこミスで勝ちを相手に譲っているような試合も多い。
「ここんとこ勝っているから、ラミレスが調子に乗って変なことをしませんように！」
「またそういうアンチなことを････」
「別に、変なことをしなければいいのよ！ ま、しても勝てば官軍だけどね！」
「ファンなんて、そんなものだよね････」
「あたしが望むことは、阪神３連戦、先発は７イニング以上を投げて、打線はそれまでに５点差以上をつけて、国吉や武藤を中心に逃げ切って勝つことよ！」
「ハードルが高い！」
「あの先発３人にはそれくらいやってもらわないと、８月に中継ぎ陣崩壊するわよ！」
１０連敗からここまで盛り返してきたのも、なんだかんだ中継ぎ以降の踏ん張りが大きい。
この夏場は、打線が出来れば頑張って援護して欲しい。
「さあいくわよビジター６連戦！」
「現地には行けないけれど、応援してます！」
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