2019年8月16日 広島戦
結果:横浜2-4広島
敢闘選手賞:なし
「このまま終わっていいのかベイスターズ!?」
テーブルを拳でドンと叩き、問いかける結乃。
「ここまでの苦労が全て無になっても良いの!?」
結乃は畳み掛けるように言う。
「選手も監督もコーチも全力でやっていると思うけれど」
理衣がかばうように言う。
「プロなのよ、結果が出せなければダメなのよ!」
チームは5連敗、3位転落、首位とは5ゲーム差。
「もう、ここがデッドラインよ!」
巨人戦を多く残しているとはいえ、全勝できるものでもない。
主力に怪我人が続出して厳しいのは分かるが、なんとか踏ん張れないものか。
「怪我人とか、疲れているとか、そんなの関係ねぇ!」
「あ、ネタ入れてきた」
勝祭のゲスト、小島よしおの喝も効果が無かった。
「投手陣は4失点と、よくもなく悪くもない感じだったけれど、打線がやっぱり迫力なしね」
「夏場だし、打ってくれないと困るよねぇ」
「チャンスで打てないのばっかりよね!」
ストレスが溜まる試合が多いのは、まあ連敗しているから当たり前といえば当たり前だが。
「とにかく、残り2戦、勝つわよ! 初戦が井納-大瀬良の時点で、ここまでは想定内よ!」
「それもどうかと思うけれど・・・・」
「石田と今永、ここで止めなかったらジ・エンドかも。むしろ3位すら危うくなるわよ!」
「それは嫌だ! ううう、応援しかできないのがもどかしい!」
そう、ファンはもどかしくも見ていることしかできない。
しかし。
しかしである。
「以前はこの時期にはもうぶっちぎり最下位、ある意味、穏やかな気持ちで試合を観れていたわ。でも、こんなにも苦しく悔しく、胸が痛くなるの! それは幸せなことよ!」
願っていたのだ。
8月になっても熱く、苦しい、燃えるシーズンを。
もちろん、昔だって負ければ悔しかった。
でも、諦めもあった。
だが、今は違うのだ。
「まだ首位とたった5ゲーム差よ! 5位と10ゲーム以上離れていたかつての夏と比べたら雲泥の差!」
「酷いね、それはそれで」
「一つ、一つ勝てば、何か変わるかもしれないのよ!」
一週間後には巨人戦がある。
そこまで、踏みとどまれ!