2019年9月14日 ヤクルト戦
結果:横浜7-4ヤクルト
敢闘選手賞:佐野
「つっ・・・・かれた試合だったわ!」
試合終了を見届けて結乃が言った。
「でも、どんな試合でも勝利だよ!」
理衣がとりなすように言う。
「まあこの時期、勝ち方云々よりも、勝利という結果が重要だから良いけど。特にチーム状況がよくないからね」
ヒーローインタビューを待ちながら、スタンドの座席で試合を反芻する。
「何せ7点のうちボーク1点、暴投後逸1点、エラーの後のタイムリーで2点、合計4点だから、それを差し引いたら3-4で負けているし!」
「いやいや、ほら、ミスした方が負けるということだから!」
「相手が最下位のヤクルトだから勝てた感じよね!」
初回から相手の拙攻に助けられた。
盗塁失敗、エンドラン失敗、毎回ランナーを出すも肝心なところで一本が出ない。
「上茶谷がヘロヘロだったのに、よくもまあ5回1失点で済んだわよね」
「もう3回からずっと、見ていて落ち着かなかったよねぇ」
相手の攻撃時間がやたら長く、見ている方は疲れる試合であった。
「上茶谷、コントロール悪くて無駄に四球出してピンチ広げて。バレンティンの打球はヤバいと思ったけれどね」
「あれはドキッとしたよねー」
「そして上茶谷、ヒロインでも受け答えに全く元気もキレもないわね!」
「つ、疲れているんだよ!」
苦笑いするしかないくらい、声に力の無いヒーローインタビューの上茶谷であった。
「中継ぎ陣もピリッとせず、三者凡退がなかったからね」
「併殺で結果的に三者凡退はあったけれど、ランナーは出していたもんね」
「三嶋はお疲れかしらねぇ。ここからは、リードしていたらみんな連投、な感じになりそうだしね」
「試合がとびとびだから、だね」
とはいえ、ずっと投げさせ続けていたら壊れてしまう。
勝ちパターン以外の投手もうまく使えるような点差の試合になると良いのだが。
「打撃陣は、まあ、そこそこ打ったわね。先に言ったように相手のミスに助けられたのが多いけれど」
「筒香選手が先制のホームラン!」
「それは良いけれど、後の打席でソトを敬遠されて勝負されて三振は4番として情けないわよ!」
まあ、観戦していてもなんとなく予想は出来たが。
「6回の攻撃は見事だったよね!」
「疲れの見えてきた石川に対し、連打と四球で満塁。暴投もあったけれど、佐野のタイムリー、大和の犠飛とここはよくつながったわ!」
「6回の表、石川投手に打席が回らなかったから続投になったのも大きかったかもね」
6回表、ゲッツーで石川にまわらなかった、この辺の流れもベイスターズに与したのであろう。
「グダグダな試合だったけれど、巨人に負け越した後だけに勝つことが重要。最下位のヤクルトが相手で良かったわ。失礼かもしれないけれど」
「巨人さんが負けて広島さんが勝って、2位はキープだね」
「とにかく1試合ずつよ。まずは、この前3タテくらった中日!」
「やり返したいね!」
幸いなのは、中日もラストに向けてフル回転、柳を大野を中5日で投入したので出てこないこと。
嫌なのは、苦手の山井が出てくること。
そしてベイスターズの先発がバリオスであること。
「バリオス、ラストチャンスよ! ここで良いところ見せてみなさい!」
「最初から全力で!」
問題は、ナゴドで山井を打てるかどうか。
「あと、大和は無事かしら?」
「大和さん、心配だよね! 本当、怪我は勘弁して!」
伊藤光、宮崎が戻ってきて、大和が離脱はやめてほしい。
だが、無理はして欲しくない。
「もう全員で勝つのみよ! 残り9戦、全部勝つつもりでいくのよ!」