「かかってきなさいタイガース!」
阪神が勝利したのを見届けると、結乃は高らかに宣戦布告した。
「あれ、強気になっている?」
理衣が驚いたように見ている。
「ここまできたら、相性とかシーズン対戦成績とか関係ないわ。短期決戦なんだから、3試合でどちらが2つ勝つかよ!」
「おおー!」
「まあ、チームの勢い的には圧倒的に阪神だけどね!」
「あら?」
「何せ怒涛の連勝で広島を逆転して3位だしね」
「確かに、凄かったね」
「まあ、最後はモチベーションの差も出たかもだけど、大野、二桁狙わんのかい!?」
「ま、まあ、タイトル獲得はいつできるかわからないから、ね」
きっちり防御率の分だけ投げてマウンドを降りた中日の大野であった。
「短期決戦仕様、前のCSのときだって勝ち越したんだから、勝てないことはないのよ!」
「それに今季は、久しぶりに横浜スタジアムの3連戦で勝ち越したしね!」
「それも情けない話だけどね・・・・」
とはいえ、そこにも希望を見出したい。
「阪神とのシーズン対戦成績は忘れるわ!」
「まあ、考えても良いこと無いもんね」
「いかにして勝つかを考えるのみ!」
「そこは首脳陣に期待しています!」
とはいえプレーするのは選手。
シーズン中と同じやり方では通用しないことは分かっているだろう。
エラーと記録されないミスをいかになくしていくか。
それができなければ、打線爆発くらいしかないが、それは賭けだ。
「対戦相手も決まったから、作戦を詳細に練るはずよ。私達も気合を入れましょう!」
「もう、週末には試合だもんね」
「シーズン中の借りは返すわよ、タイガース!」