2019年10月6日 阪神戦
結果:横浜6-4阪神
敢闘選手賞:乙坂
「乙坂ぁーーーーーーーーーーっ!!!」
結乃が絶叫する。
「やった、サヨナラーーーー!!!」 理衣も万歳をしている。
9回2死ランナー無しから、まるでお約束のように追いつかれた康晃。
勝ちパターンの投手は使い果たし、一方で阪神にはまだ藤川が残っていた状態。
勝つには9回裏で決めるしかなかった。
そこで代打、乙坂の一振り。
「やったね、結乃!」
ハイタッチをするべく手をあげる理衣。
それに対して。
「なんで、あたしが観に行った試合で勝たないのよ!」
「ええーっ!?」
結乃はハイタッチをスルーし、地団太を踏んで悔しがった。
「それにしても1戦目、2戦目と、疲れる試合が続くわね」
「選手達の疲労は激しいだろうね」
「思い起こせば2016、2017年のCSも3戦目まで、それもどの試合も厳しい試合ばかりだったわ」
結乃が遠い目をする。
「でも、あたしは勝つと思っていたわ! 初戦こそ負けたけれど、2戦目は朝からちょっと雨模様! もう、勝ち抜くフラグが立ったようなもんだったわね!」
「2017年のことだね」
「でも、もうちょっと楽に勝ってほしいわ・・・・」
結乃はぐったりと机に突っ伏した。
応援している方もスタミナを消費したのだ。
「試合としてはロペス、筒香のホームランと、ベイスターズらしい一発攻勢で先制して、良い流れでは入れたわね」
「初戦の負けがあっただけに、先制してその空気を飛ばせたよね」
「ロペスがベンチに向かって吠えて、あれで皆を鼓舞したわよね!」
「前日の負け方もあったもんね・・・・」
「とはいえ、そこからじりじり追いついてくるのが阪神よ。この試合も案の定、中盤に追いつかれて・・・・」
「今永投手も連投は厳しかったかもね」
「てゆうか、初戦、今永が普通に先発していたら勝てたんじゃ・・・・」
「そ、それを言っちゃあ・・・・」
「色々あったけれど、これで1勝1敗、3戦目に持ち込んだわ!」
「先発は平良投手! シーズン終盤は調子を落としていたけれど・・・・」
「どれくらい持ち直してきたか、とはいっても、また継投でしょうけれど」
正直、中継ぎ勝負になったら分が悪い。
この2戦目でも全てを注ぎ込んでしまっており、キツイ。
「上茶谷をリリーフで出すのかどうか。そうすると巨人戦で投げる投手がいなくなるけれど、勝たないとどうしようもないし」
「とにかく、全員野球で勝ち抜いて欲しいね」
「打線の援護は不可欠よ! 幸い、1-5番の調子が戻っているのが良いわね」
「阪神さんの先発は左腕の高橋投手だけど」
「調子の良い選手を使う! 乙坂を先発起用もありよね!」
とにかく、今の外野では守備が弱すぎる。
ライトに飛べばヒットが2塁打に、1塁ランナーは3塁に。
レフトに飛んでも、簡単にホームに帰ってきてしまう。
「ソトをセカンドにして、外野の守備を強化しても良いと思うのよ!」
さて、どうするか。
「あと一言。なんであの打席、インコースに投げる必要があったのよ!?」
一発だけを警戒する打席。
もうちょっと考えて配給できなかったのか?
「苦言は後、とにかく第3戦よ!」
いざ、決着の時へ!