「はぁ、もう野球も観られないんだね」
拭抜けたような声を出しているのは理衣である。
CSで敗退して、オフシーズンに突入したベイスターズ。
ファンとしては物足りないだろう。
「何言っているの理衣ちゃん! オフはオフで色々と話題があるわよ!」
敗戦のショックを払拭したのか、結乃が元気よく言う。
「てゆうか、敗戦直後から色々と出てきたわね。その中でも今回は、ラミレスの続投についてよ!」
「色々と叩く人も出るでしょうね」
「結果は残している・・・・よね?
3位、3位、4位、2位
それまで最下位ばかりだったことを考えれば、安定してAクラスを争えているのは間違いない。
「采配に奇をてらったものも多いし、中継ぎ陣登板過多で故障が多いとか、ツッコミどころは多いわよね」
「難しいところだよね~」
理衣も、うーん、と唸る。
チームの各指標を見れば、おしなべてどれもリーグ下位クラス。
そこだけなら最下位でもおかしくないような数字だが、結果は2位。
うまくやりくりしたラミレス采配があってこそと評価する人もいれば、そうでない人もいる。
まあ、そういうものかもしれないが。
「あたしは監督の能力とかよくわからないけど、決まった以上は応援するわよ!」
「そうだよね、5年目、今度こそ!」
「もちろん応援するけれど、文句も言うからね!」
「あはは、そりゃそうだよねぇ」
5年目ともなればさらに外野からの目が厳しくなるのはラミレスも分かっているだろう。
オーナーからも、
「優勝しかない」
とくぎを刺されている。
「恐いのは、優勝の為になりふり構わない戦いをして、2019年シーズン以上に怪我人や故障者を出さないか、ね」
「大変だったもんね」
「1年だけのことじゃないわよ、未来を見据えてチームを成長させていかないと、単年だけ良くてそこから真っ逆さま、なんてこともありえるからね!」
「それはいやだね!」
「かつてのベイスターズがまさに似たような形だったからね!」
良い選手がいて強いうちに、次に続く若い選手を育てられなかったベイスターズは、優勝してからわずか3-4年で一気に落ちた。
「とにかくラミレス、ちゃんとコミュニケーションとってやってよね!」
「どんな野球を目指すかも気になるよね」
相変わらず打つだけの野球なのか。
スモールベースボールをいれてくるのか。
それは、秋季キャンプ以降できっとわかるはず。
「そうそう、もう秋季キャンプも間近なのよね! あたしたちも行くわよ!」
秋季キャンプについて
-
横浜DeNAベイスターズ 秋季キャンプについて その1
横浜DeNAベイスターズの秋季キャンプについて その1 プロ野球のオフシーズン。契約更改や自主トレの話題を見ているだけじゃ物足りないと感じている方も多いと思います。 そんな ...
みなさんも秋季キャンプに行くようなら、すれ違うかもしれませんね?