2019年振り返り #1 昨年以上に悔しい一年 桑原将志
「2018年は悔しい一年を送った桑原! 2019年こそ見返してやりなさい!」
「・・・・のはずだったんだけど」
ため息をはきだす理衣。
なんとも哀しそうな表情を見せている。
「そうね、桑原の成績はこうよ!」
#1 桑原 将志
出場試合 : 72
打数 : 102
打率 :.186
安打数 : 19
HR : 2
打点 : 7
盗塁 : 2
「これはヒドイわね!!」
「容赦ない言葉!」
「甘い事いっても仕方ないでしょ!? 厳しく、2019年は10点ね!」
と、結乃から低得点をつけられても文句言えないような数字が並んでしまった。
「下手したら、打率が身長より低くなっていたのよ!?」
「ま、まあ、ね・・・・」
とにかく打撃低調が止まらない桑原だった。
なぜ、どうして、ここまで打撃が駄目になってしまったのだろうか。
「守備はね、センターに桑原がいると安心するんだけど」
「そんな桑原選手も、ライトとかの守備になっていたりもしたね」
「それだけ打撃が悪くてトータルの評価が落ちていたということでしょ」
「まー、見ていて打てる感じがしなかったもんね。どうしたもんやら」
結乃が頭を悩ませる。
打撃コーチも悩んでいたのではなかろうか。
「本人も苦しいだろうね」
「登場した時のファンの声援は凄いんだけどね」
みんな、桑原が苦しんでいるのを知っている。そして、ガッツマンだけに打てば盛り上がるのも知っている。
「このままじゃ消えちゃうわよ! 2020年に期待したいのは、大村さんね!」
「コーチとして復帰してくれるね」
「伸び悩みの若手の指導もそうだし、こういう桑原みたいに落ちたまま上がってこない選手の指導も期待したいわ!」
「守備が良くてパンチ力もあるし、出れば盛り上がるしね」
「外野手争いはし烈だけど、はじき出されたままでいいわけないわよね!?」
特に右打ちの外野手は少ないだけに、頑張ってほしいのである。
ソトは外国人選手、細川はまだまだ荒く、青柳は戦力外となった。
新人で蛯名を獲得したのも、その辺を見てのことであろう。
「のんびりしていられる年齢でもなくなってきたし、勝負の年、ここでダメならもう駄目くらいの気持ちでいきなさい!」
「ファンは待っています!」
忘れていないぞ。
東京ドーム、9回の逆転満塁ホームランを。
再び燃えろガッツマン、桑原!