2019年振り返り #8 安定感さえ増せば一番の最有力 神里 和毅
「イケメン枠!」
開口一番、理のの一言である。
「まーた、そればっかりなんだから理衣ちゃんは・・・」
結乃はいつものことながら呆れている。
ハマの誇るイケメンの2019年成績は、こう。
#8 神里 和毅
出場試合 : 123
打数 : 458
打率 :.279
安打数 : 119
HR : 6
打点 : 35
盗塁 : 15
「規定打席にも到達し、OPSも.731という数字を残したわ」
「これは、良いんじゃない?」
「そうね、頑張ったとは思うわ。ということで70点を」
「なんか厳しくない?」
理衣が不満そうに口を尖らせる。
「数字はね。ただ安定感がね。打てない時はまるきり打てない感じもあるしね。打つ時はまとめうちとか」
「CSのときは凄かったよね」
「そう、だけど打てない時はあっさりというか、粘ることもまだまだな感じだし」
「評価が厳しいよー」
「出塁率も.323だからね。先頭打者なら3割台後半は欲しいわよ」
三振が多め、四球が少ないのだ。
「盗塁も15しているけれど、盗塁死が10! 成功率が低すぎるわね」
「うーん、それは、確かに」
2018年も途中から走れば盗塁死するような状況だった。
足が速くても、盗塁技術はまだまだ高くないのだ。
「さらに、一番が守備よ! なんか上手くないわよね」
「そこも、否定できないところが・・・・」
理衣も苦笑している。
「追いついた打球を落とす、なんてのを何回か見ているわ」
「追いついていると思うと、見ててがっくりするよね」
「あとは送球も安定感がないから」
「色々と伸びしろがあるということで」
「前向きね」
とはいえ、センターの守備で安心して見ていられないというのは辛い。
桑原レベルとはいわなくても、追いついた打球はきっちり捕れるようになってほしい。
「色々と文句も言ったけれど、活躍を鑑みれば先頭打者の一番候補よね」
「三番打者という声もあがっているけれど」
「意外とパンチ力もあるからね、将来的にはそういうのもアリよね」
果たしてどうなるかは、本人の今後の努力次第であろう。
「期待は大きいんだから、気合を入れなさいよ。外野は激戦なんだから!」
「スタメンで出る機会が多くなると、ファンも喜ぶしね」
「そりゃ女性ファンでしょ。顔だけじゃなく、野球でイケメンぶりをみせなさい!」