2019年振り返り #16 頑張った一年。更なる安定感を求む 大貫晋一
「メルセデス・ベンツ!」
結乃がポーズをとる。
「それ、齋藤投手が教えたとかどうとか」
理衣が突っ込む。
真実はいかに。
「で、ルーキーの大貫かー」
「どうかしたの?」
「ほら、例の楽天戦を現地で観たじゃない」
「あ、あはは・・・・」
結乃の言葉に、理衣も苦笑いするしかない。
#16 大貫 晋一
当番試合 : 15
投球回数 : 66 2/3
防御率 :5.00
勝利 : 6
敗北 : 5
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 54
「数字だけ見ると、貯金が1あるくらいしか良いところが見えないんだけどね」
「でも、シーズン序盤はローテーションを回してくれたよね」
「ローテの6番手だったけれど、結構、安定して5,6回くらいを投げてくれたからね」
「先発陣に故障が多い中、助かったよね」
5,6回を投げて3失点くらいにまとめる。
良い時は1、2失点くらいですませて、初登板以外は安定していた。
「上茶谷より初勝利は先だしね!」
「のらりくらりと抑えていた感じだったねー」
「ランナー出すのがデフォルトみたいな感じで、ひょうひょうとしていたわね」
社会人卒とはいえルーキーならば合格点であろう。
「個人的には60点の及第点かと思っていたけれど、70点をあげるわ」
「を、評価アップ?」
「球団の評価が高かったからね。年棒もほぼ倍増でしょ?」
「スカイプでの更改だったね」
先発として15試合、投球回数こそ多くないが、やることはやってくれたということだろう。
「とはいえ、シーズン後半は打ち込まれてもいたし、レベルアップしないと通用しないわよ!」
「特に左打者によく打たれていたみたいだね、データ的に」
「これといった怖い球が無いのよね。このオフに何か習得してほしいわね!」
「2020年は安定感をのばして、イニング数も伸ばしてほしいわ!」
「また新人も入ってくるし、若手も先発を当然狙っているし、競争は厳しいけれど」
「まずは先発ローテに入ることよね。気合い入れて」
「優しくて競争とかしなさそうな印象だけどね」
「プロの世界で生き残るためよ!」
ローテ6番手で満足せず、さらなるポジション向上をめざそう!