2019年振り返り #29 待望の正捕手、加えてイケメン 伊藤光
「わー! イケメンキャッチャー、光さん!」
理衣がもろ手をあげて喜んでいる。
そんな理衣を、結乃が冷めた目で見つめている。
「まったく理衣ちゃんは・・・・」
ため息交じりである。
「いいじゃない、別にー」
「いいけど、別に」
#29 伊藤 光
出場試合 : 84
打数 : 256
打率 :.254
安打数 : 65
HR : 8
打点 : 27
盗塁 : 5
「チームとしてはようやく得た、正捕手よね!」
「加えてイケメン!」
「それはいいから」
「守備はどれも物凄いわけじゃないけれど及第点。少なくとも、戸柱や嶺井よりは上だしね」
「投手陣からの信頼も厚いみたいだしね」
「さらに打撃も良いからね。二割五分打ってくれて、ホームランも8本とキャリアハイ」
「出塁率は打率より一割高いのも良いよね」
「打席でも結構粘るし、意味のある打席が多いわ」
他の淡白な打撃が多い野手と比べると伊藤の打席はちょっと違うのだ。
「あと意外なことに盗塁も5つ決めているのよね」
「俊足キャッチャー、爆誕!」
「じゃないけれど、走れるときを見極めているんじゃない。まあ、盗塁死も5あるけれど」
「ちなみにWikiでは50メートル6秒、って書いてあるよ」
「速かった!」
「センターラインは重要だからね、四年契約であと四年は確実にいるのがありがたいわ」
「素直に嬉しい!」
「四年契約だからって、四年目までサボるようなキャラにも見えないしね」
もちろんけがなどは不慮の事態は想定しておく必要はある。
そのため、正捕手といいつつ、完全な正捕手というわけではなく他の捕手と競い合いは変わらない。
「まあでも、打撃で大きくリードしているから、そうそうとってかわられることはなさそうだけどね」
「沢山試合で観られるのは嬉しいけれど、他の捕手にも頑張ってほしいのはあるから、複雑」
「重労働ポジションだから、うまいこと休ませつつ起用してもらいたいわね」
2019年、伊藤が怪我をして離脱してからはかなり厳しかった。
もちろん、嶺井も戸柱も頑張っていたが。
「そして光さんといえば、ハグ! 私も光さんにハグされたい!」
「いや、ないからね」
「分かっているけれど、完封すれば!」
「何を?」
とにかく、怪我せずに一年間。
それが出来れば、優勝に近づくはずだから。
頼むぞ扇の要、イケメン捕手!