2019年振り返り #34 ビハインドでも力を出せず苦しい一年 平田真吾
「平田、クビはつながったのね」
口を開くなり辛辣なことを言う結乃。
結乃の言葉を聞いた理衣も焦っている。
「ちょ、ちょっと、結乃。そんなこと言わないの!」
「でも、多くの人が想像していたような・・・・」
「そんなことありませんからね!」
とはいえ、2019年の平田の成績は。
#34 平田 真吾
当番試合 : 8
投球回数 : 9 2/3
防御率 :9.31
勝利 : 0
敗北 : 0
セーブ : 0
ホールド : 1
奪三振 : 11
「この成績よ!」
「う、そ、それは」
入団三年目の4登板につぐ少ない登板数であった。
また防御率もよろしくない。
「前は、敗戦処理の時は良い投球をしていたんだけど、2019年はそれもなかったからね」
「どうしちゃったんだろうね」
「良いストレートとスライダーをもっているはずなんだけど、前から言われているようにメンタルかしら?」
「でもこのオフはオーストラリアへの海外派遣メンバーになっているよね」
「球団としてもそれだけ期待はかけている、素質があるとみなしているんでしょうね」
海外で揉まれて精神的に強くなり、今からでも人肌むけてくれると良いのだが。
「まあ平田は、ルーキーのときの巨人戦のトラウマがね」
「ああ・・・・」
「あればかりは中畑(元)監督が悪かったわよね」
それが全てではないが、やはりその後に大きく影響を及ぼしたのではなかろうかと思える。
「この成績では20点ね。それでも高いかしら」
「年齢的にも、もう30だしね」
「崖っぷちよ! 中継ぎだと重要な場面で出しづらいから、先発に明かりを見出す手もまだあると思うんだけどね」
「2018年には先発でも好投したもんね」
「右の先発は手薄だし、チャンスはあると思うのよね」
「あと平田に希望することというか、頑張ってほしいのは、プロ1勝ね!」
「まだ、0勝なんだよね」
「プロ99登板で0勝はね。敗戦処理が殆どとはいえ、なんとかなると良いんだけど」
「2020年は目指せプロ初勝利!」
「ビハインドで抑えて味方が逆転! これよね、尾仲もこれでプロ初勝利だし」
「勝ち星が付く人は本当にあっさりついたりするよね」
存在感が年を経て薄くなってきているぞ。
本当に最後と思って自分を高めて、一軍のマウンドを掴んでほしい。