「筒香のメジャー移籍が確定したわ!」
結乃がニュースを見て大きな声を出した。
「え、ホント!? どこの球団?」
結乃の声を聞いて、理衣も駆けつけてくる。
筒香、レイズと2年13億円で合意…大金より出場機会 DeNAへの譲渡金は2・6億円
「ほほぉ、なるほど、レイズですかぁ~」
結乃が顎に拳をあてて、ふむふむと頷いている。
「レイズって、どういう球団なの?」
「え、知らない」
「なんでわかったふりしていたの!?」
ずっこける理衣。
タンパベイ・レイズ
アメリカンリーグ東地区所属の球団である。
「2年1200万ドル(約13億1000万円)って、思ったより好条件じゃない?」
「結構、厳しい評価をしている話も聞こえたもんね」
メジャーにおいて筒香レベルのパワーはざらにいるわけで。
筒香もお金は関係ないと言っていたが、評価された方が嬉しいに決まっている。
「年棒は、それだけの活躍を期待しているということでもあるし、自分に良い意味でプレッシャーをかけて欲しいわね」
「それをパワーに変えるんだね」
「高すぎるとそれもまたプレッシャーだから、これで活躍してもっと上げてやるぞ! っていうモチベーションにもなるかもだし」
「とにかく、これでメジャーリーグでの筒香選手が見られるわけだね」
「そうと決まったわけじゃないわよ。アメリカはシビアだからね、マイナー降格だって十分にありえるわよ」
まだ、あくまでスタートが切れることが確実になっただけ。
ここから先は、本当に筒香次第である。
「それでも、挑戦したことをファンは応援しているから!」
「活躍してくれたら嬉しいね!」
「筒香が在籍していたのはベイスターズというチームなんだ、ということを全米に知らせてほしいわね!」
いよいよ、筒香の夢が始まる。
これから苦しいことが多くあるだろうが、それも含めて筒香の夢。
全力でぶつかって欲しい。