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2019年振り返り #38 一軍出場なく、崖っぷちに? 山下幸輝

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2019年振り返り #38 一軍出場なく、崖っぷちに? 山下幸輝

 

「ムシキングは無念の一年だったわねー」
なんともいいようのない表情で結乃が小さな声で言う。
「そういえば今季、見ていないよね」
理衣が首を傾げる。

山下の2019年の成績は。

#38 山下 幸輝

出場試合 :  91
打数   : 281
打率   :.260
安打数  :  73
HR   :   6
打点   :  36
盗塁   :   9

「そう、一軍出場なし、全て二軍での出場でこの成績よ!」
「う、それは厳しいね」
ルーキーの年から毎年、一軍で出場してきたが、2019年はその機会がなかったのだ。

「決して内野が豊富というわけではないんだけど、それでも出てくる機会がなかったのよね」
「何が悪かったのかな?」
「悪かったというか、コレ! というものがなかったんじゃないかしら」
成績を見ると、物凄く悪いわけではないが、良いわけでもない。
一軍に推薦するほどの結果を残していなかったということなのだろう。

「宮崎、大和、柴田、あたりがほぼ確約だとすると、あとは倉本、石川、伊藤ゆ、飛遊馬、ってとこなんだけど」
「圧倒的に劣っていることはないと思うんだけど」
「そこは二軍での評価よねぇ」
山下を推すとしたら、やはり打撃を向上させるしかないだろう。
守備は、普通くらいなのだから。

「二軍で満足していられる状況じゃないからね、点数は5点ね」
「一軍出場がないから、仕方ないか・・・・」
理衣も寂しそうな表情でそう言うしかなかった。

2018年のあのサヨナラヒットで終わり、なんてことにならないようにね!
「厳しい立場だけれど、まだチャンスがないわけじゃないもんね」
「そう、セカンドは決まっているわけじゃない。でも、まずは打力アピールして、代打でもいけるってとこを見せるのが大事でしょうね」
「代打で結果を出して、そこから出場機会を増やして、ってね」
「守備固めで出る程じゃないってのが痛いわよね」

守備も打力も、目を見張るものがないのが山下としては痛いところ。
ユーティリティ性が凄く高いわけでもない。
とにかく何か一つで良いから、首脳陣にアピールできるストロングポイントが欲しい。

「おそらく2020年は背水の陣! 二軍スタートになったとしても、そこで一軍に推薦したくなる結果を残すこと!」
「そしてチャンスを得た一軍でまた結果を出せば!」

前を向いて精進していこう。
頑張れ、山下!

 

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