２０１９春季キャンプレポート その３
「沖縄キャンプレポート、その３よっ！」
ピースサインで決める結乃。テンションは変わらず高い。
「でも、今日は練習お休みの日だよ」
「何を言っているのよ、二軍のキャンプは今日も練習だからね、嘉手納にいくわよ！」
ということで、二軍がキャンプを行っている嘉手納へと足を延ばす結乃と理衣であった。
「到着したわ！」
「宜野湾と比べるとやっぱり、人が少ないねぇ」
見渡しながら言う理衣。
それでも、結構な人数が来ており、やはり一軍が休みだから流れて来たのだろう。
「選手達はウォームアップ中ね････あ、伊藤がいた！」
キャンプは二軍スタートとなったドラ２の伊藤の姿も見かけた。
「イケメンさんだね」
「ちょっとガタイが大きいけどね」
「他には････あ、梶谷も見っけ！」
手術明けの梶谷の姿も見つけた。
「井納さんとか石川選手もいるね」
「怪我あけはともかく、キャップは頑張れ！」
なお、石川は別メニューのため、すぐに姿を見なくなってしまった････
メイングラウンドを軽く見て、しばらくうろうろしてから向かったのは陸上競技場。
そこでは投手陣がボールを使ったメニューと、ジョグを行っていた。
「勝又と寺田ね」
「水野投手や中後投手もいたね」
「そして、謎の育成契約、コルデロも！」
コルデロに対しては、コーチがなにやら「アホ」とかの単語を教えていた。
大丈夫か？
なお、面白かったのはジョグ。
ゆっくり走り、タイマーが鳴ったら端から端までダッシュするというだけのメニューなのだが。
「武藤、遅い！」
「選手に応じたペースがあるんでしょう？」
「それにしても････いやいや！」
ただ走っている姿を見ているだけなのに楽しいという、キャンプのＭＶＰは間違いなく武藤だった。
「それに、井納！」
走っていた井納だが、ペースがうまくはまらなくて、端に来ており返してしばらくしてからタイマーが鳴る。
『途中でタイマーが鳴っちゃうよ～っ』
「････って、ペースをあわせるか、少し先まで走ってあわせるとかしなさいよ！」
「他の選手は言われなくてもタイミングあわせるように走っているのにね」
苦笑いする理衣。
本当に天然というか、宇宙人と言うか、面白いものである。
「････しかし嘉手納は」
天を見仰ぎながら結乃が言った。
「激アツ！！」
「ホント、良い天気だねー」
「暑いんじゃこりゃー！！」
一軍が休みの日に限って、この晴れもようというか、暑い！
「でも、二軍の方が選手からはサインが貰いやすいわよ」
「マナーはちゃんと守って、が前提だけどね」
「そうそう、ルーキーの伊藤がサイン列の途中で帰っちゃったときにブーイングしていた人たち！ 何様のつもりよ！」
「サインとかファンサービスは、練習を終わった後とか疲れている中、許された時間の中で選手達が自発的にしてくれるものだからね」
「してくれて当たり前、とか思ったら間違いなんだから！」
下手をしたら、ファンサービス全面禁止、なんてことにもなりかねない。
「松坂投手のこともあるしねぇ」
「本当、マナーとモラルを守ることよ！」
「嘉手納の見学も楽しいねぇ」
「室内練習場がもっと近ければ、さらにいうこと無いんだけど」
「あはは、まあ、それくらいは」
そういうわけで、激アツの嘉手納キャンプ見学なのであった。
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