2019年振り返り #51 スランプ・怪我もなんだかんだ成績を残す 宮崎敏郎
「宮崎は苦労した年だったわね」
感慨深げな口調で言う結乃。
「春先は見ている方も辛かったもんね」
理衣は思い出したのか表情を曇らせる。
ハマのプーさん。
2019年の成績はこちら。
#51 宮崎 敏郎
出場試合 : 114
打数 : 433
打率 :.284
安打数 : 123
HR : 15
打点 : 49
盗塁 : 0
「いやー、4月の絶不調はこっちも見ていて厳しかったわね」
「まさか、宮崎選手があんなに打てないなんてね」
「全然、期待できなかったもんね」
打率一割台で苦労していた宮崎。
チームの主力ではもっとも不振から遠い男と思っていただけに、ファンも信じられなかった思いであろう。
「そりゃ宮崎だって不調の時はあるけれど、技術があるから最低限の数字は出せるイメージがあったわよね」
「それが、あんなに打てなくなるなんてね」
「だからシーズン通しての成績も不調で、打率も二割八分台だしね」
「・・・・ちなみに、それでもチームの首位打者だって」
「マジでか!? 他の選手は何やっているの!?」
ある意味、さすがである。
「とはいっても、怪我で抜けた時期もあるし、印象的な活躍は少なかったからね、40点にしておきましょう」
「うーん、厳しい点数」
「それだけ力があるってことよ!」
宮崎だからこそ、求めるものは高くなる。
「やっぱり、打点がもっとほしいわよね」
「49打点、スランプ、欠場も多かったけれど」
「70打点以上は欲しいわね」
「ポイントゲッターとしてね!」
宮崎は打率は良いが、打点はあまり多くない。
もちろん、筒香、ロペス、ソト、といったところが打点を奪っているというのもあるが。
「まー、打ってもホームまで帰って来られない、ってのもあるかもだけどね、うふふ」
「うっ、各駅停車ってやつだね」
結乃の不気味な笑みに、理衣は怯えの表情を見せる。
「2020年はフル出場、首位打者、ゴールデングラブを狙いましょう!」
「贅沢だね!」
「いやいや、これくらいやってくれないと!」
「やってくれそうな選手でもあるしね」
「そして、初盗塁も!」
さて、プロ初盗塁は記録することがあるのだろうか。