2019年振り返り #100 目指せ支配下、嘉手納の星 宮城滝太
「育成の宮城ね」
結乃が頷きながら言う。
「育成の子は応援したいね」
理衣が保護者のような顔をしなが言う。
「育成じゃない子は応援したくないの?」
「そういう意地悪な事いわないで!」
#100 宮城 滝太
当番試合 : 16
投球回数 : 41
防御率 :6.10
勝利 : 3
敗北 : 6
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 28
「まー、高卒の育成一年目だからね、評価も何もない感じよね」
「じゃあ60点だね」
「先取りしない! まあ、そうだけど」
突っ込んでから頷く結乃。
「それでも一年目からこれだけ登板しているから、順調なんじゃないかしら?」
「そうだよね、高卒一年目なら体作りでもおかしくないもんね」
「この前のキャンプの紅白戦でも登板したし、うん、順調ということにしましょう!」
見る機会もなくよくわからないので、そういう結論に落ち着かせる。
「宮城といえばなんといっても嘉手納町出身!」
「まさに春季キャンプ、二軍がやっているところだね!」
「……同じ名前で違う場所、とかないわよね?」
「そ、それはないんじゃない? 沖縄県嘉手納町だし」
「うーん、他にネタがない!」
結乃が頭を抱えて悲鳴をあげる。
「いや、無理に出さなくても良いと思うけど」
「でも! なんかこう、無力感が!」
「実際に無力だしねー」
「こうなったら一日も早く育成から支配下登録されて、一軍で投げて目立ってもらうしかないわね!」
「そう、私達は応援するのみ!」
「はやく上がって来なさいよ、宮城!」
「なんでこう、上から目線なのかなぁ?」
頑張れ、宮城。