「今日のオープン戦、主力打者の順調さが目についたわね!」
結乃が元気よく言う。
「確かに、みんな打ったもんね!」
理衣も頷く。
「あ、でも佐野は除いて」
「あうぅ、4番のプレッシャーかな?」
「練習試合じゃなくて、オープン戦で打てないとねー」
「とはいえまだまだこれから、頑張ってほしい!」
キャプテンとしての重責、レギュラーを狙う立ち位置でいながら4番候補。
色々と重いだろうが、それだけ期待されているということでもあるのだ。
「試合で一番驚いたのは、大和のホームランよね!」
「凄いの見たね!」
「公式戦でも打っていないのに、これで今年のホームランは打ち止めね!」
「そんなこと言わないでよ! でも、ホームランを求められている選手じゃないけどね」
HR以外の打席も二塁打と、どうしちゃったのかと問いたくなる長打力だった。
「ロペスも猛打賞、宮崎もマルチだし、この辺は順調。宮崎も今年は問題なさそう!」
「やっぱり技術がね!」
「梶谷も打ったし、ソト、神里、にもヒットが出て、楠本までホームラン!」
「楠本選手はアピールが必要だからね」
「あとなんといっても、光の粘りの打席! この手の打者が他にいないから、粘って四球は素晴らしい!」
「今年も頼りにしています、光さん!」
と、ポジ要素をあげるが。
「でも投手はね、笠井は良かったけれど、先発の櫻井、そして進藤は、うーん」
「ううう」
特に櫻井はまともにストライクが入らず、8四死球である。
ちょっと、酷かった。
「途中出場した野手もねぇ、伊藤裕季也が2失策!」
「あんなに特守しているのにー」
「守備向上は時間がかかるわ。じっくり、とにかく積み上げるのよ! エラーを恐れるな!」
「ヒットも出ていないんだよね」
「本人は辛いかもしれないけれど、踏ん張るしかないわよー」
「練習しているところとか見ているだけに辛い!」
「ということで、全体的に締まらない試合だったわね!」
「楽天さんも残塁が多かったしね」
「それでも勝利は気持ちが良い! OP戦2連勝!」
「課題を直しつつ、このままチーム状態をあげていければ優勝できそう!」
「って、いつも思うのよね」
さて、今のところそれなりに順調なようだが。
気になるのは欠場したオースティンか。
「ちょっと右ひじの張りがあって欠場と、たいしたことじゃないらしいけど」
「好調だっただけにもったいないけれど、骨休みと思えば」
さて、櫻井はアピールに失敗した。
他の若手はどうか、楽しみにしたい。