「ふはははは! また勝った! はたしていつになったら負けるのかしらねぇ!?」
調子こいたことを言う結乃。
「まあ、4連勝だから調子にものるよね」
理衣も、苦笑いしつつ諫めようとはしない。
まあ、オープン戦だし。
「いやー、公式戦にとっておきたい!」
いきなり結乃が崩れ落ちる。
「それもファンの素直な気持ちだよね」
「公式戦じゃあ、なかなか連勝できないくせにぃぃっ!」
結乃がハンカチを噛みしめながら叫んだ。
「それにしてもオースティン選手、3号HR!」
「変化球が高めに抜けた失投とはいえ、それをきちっと叩いて、フェンスオーバー。期待継続!」
「この試合ではOP戦初の凡打を記録したけれど、いやー、楽しみだよね」
「この先も見極めていきましょう!」
「先制点はこの選手、佐野選手のタイムリー二塁打!」
「ようやくヒットが出て安心したでしょうね」
「まだまだこれから、調子を上げて欲しいね!」
「しかしこの試合、6安打で5点だから、うまく点が取れたわよね」
「四球と、良いところでヒットが出たってことだよね」
「そうね、光がまたノーヒットだけど犠牲フライ打っているし、打席でも粘っているし、悪くはないしね」
「打線は今のところ問題なし?」
「そんなことないわ!」
ずびし!
と結乃が指さす。
「神里、3三振! 先頭打者でそれじゃあね」
「確かに、出塁がね・・・・」
「去年と変わっていないじゃない! あと、主力以外は相変わらずヒットが出ていないからね」
乙坂、関根、楠本、百瀬。
試合数も打席数もまだ少ないとはいえ、主力が結果を出しているだけに言い訳もしづらい。
「投手陣では、今永投手が4回1失点!」
「本人は数字ほど内容はよくないって言っているわね。まあ、開幕までに仕上げてくれれば」
「他の中継ぎ陣も問題なさそうだね」
「打球を受けた康晃も投げられたし、何より投手陣全体で無四球だったのが良いわよね!」
武藤、国吉、笠井、三嶋。
武藤が1失点したとはいえ、全体的には悪くない。
「さあ、キャンプも総仕上げ。うーん、あと心配なのはコロナだけね!」
「本当に、試合とか出来るのか不安だよね。観客も入れるのかとか」
「とはいえ、ここでいまあたし達が何をいってどうなるものでもないし、決まったことに従うだけ」
「その条件下で応援するだけだもんね、ファンは!」
皆さんも注意して応援しましょう。