「連敗するのは気分が良くないわね!」
結乃がしかめ面をしている。
「それまで連勝していたからね」
理衣は苦笑いをしながら結乃を見つめている。
3/3の楽天とのオープン戦は2-4で敗戦した。
「10安打はしているんだけど、初回の2点だけ。効率が悪いのはお得意の攻撃ね!」
「オープン戦序盤が、効率よかったからね」
「その中でもオースティン、ソト、宮崎が好調をキープしているわね!」
「オースティン選手は前の試合ノーヒットだったけれど、この試合ではまた2安打したね」
「相手も岸だったしね、やるわね!」
ソトは1安打だがタイムリー、宮崎もマルチヒットである。
「打線が奮わなければ、投手は先発のピープルズが3回3失点とイマイチだったわね」
「ちょっと厳しくなったね」
「まー、もともと、うまくあたってくれれば儲けもの的なところではあったけれど」
「次の登板で修正できるかどうか、だね」
さて、どんなものか。
「開幕1軍じゃなくても、2軍であげていって1軍の先発事情が苦しい時にあがってこられれば、っていうところよね」
「あとは、櫻井投手も1失点」
「櫻井もほぼ脱落かしらねー。あとは中継ぎで残せるかどうか」
「明暗がわかれるね」
「山崎、三嶋、国吉は無難に無失点。この辺が大崩れしていないから、まだ良いわよね」
「このまま順調に調整してほしいね!」
連敗はしたが、投手陣が大崩れとかでないので、まだ良しとしよう。
「あとは、佐野と神里! どうするのかしらね?」
「当たってないねぇ」
結乃も理衣も渋い表情である。
「ラミレスが期待して起用したいのも分かるけれど、競争だったらある程度平等にしてほしいわよね!」
「というと」
「明らかに梶谷の方が結果を出しているからね」
それでも、先発出場は佐野と神里で、梶谷は代打とかである。
「ここ2年怪我もあって立場的にある程度仕方ないのはあるけれど、結果を出したらちゃんと起用してほしいわよね!」
同じ程度の成績であれば若手を優先するのは理解する。
ただ、明らかに結果で差が出た場合はどうするのか。
DeNA・オースティン2連発デビュー翌日…夕暮れの室内練習場に梶谷の覚悟を見た
「走攻守、全て考えれば梶谷がスタメンにいるのは大きいのに!」
「文句言わせない成績を残してくれればね。もちろん佐野選手、神里選手も奮起してほしい!」
残りのオープン戦。
個人的には梶谷を応援するよ!