「やっぱり開幕延期ね!」
結乃が言う。
「仕方ないよね、今の状況じゃ」
理衣も頷くしかない。
NPBはもともと目指していた4月24日の開幕を諦めた。
次の目標は定まっておらず、はやくても5月下旬ということになりそうだが、それもどうなるか。
「コロナが収まらないんだもの、開幕している場合じゃないわよね」
「球界関係者にも感染者が増えているしね」
「プロ野球界以外でも色々と感染は広がって、これもうどうなるの!? って感じよね。マスク二枚じゃ収まらないわよ!」
「それをここで言わなくても・・・・」
「5月下旬開幕だと、日程を全部こなすのは無理ね」
「日本シリーズは削れないだろうから、オールスター、CSあたり?」
「それじゃ全然でしょ。あとは交流戦、そしてそもそも公式戦の試合数を減らす」
「うーん、寂しいけれど仕方ないかぁ」
「むしろ、公式戦が出来ればオンノジと思わないと」
シーズンをまともに出来るのかどうか。
もう、先は全く見えない。
「とにかく、状況を見ながら判断するしかないもんね」
「選手の皆さんの方が大変だよね。目標が分からないで調整するのは」
「プロ野球だけじゃなく、どのスポーツも同じだからね!」
「そして年棒問題・・・・」
そう、試合が出来なければ観客の入場料も入ってこないのだ。
それに付随する諸々も。
「あたしが心配なのはそれよりシーズンオフの戦力外ね!」
「うわあ!」
理衣が頭を抱える。
「ドラフトで選手をとるのに、支配下の枠を開けないといけないからね。そのためには戦力外が出るけれど」
「下手をしたら試合もせずにとか??」
「ありえるわよ」
「救済措置として、支配下枠を広げるとか」
「今度は戻す時に、一気に大量解雇とか」
どちらにしても苦しい。
だけど、どちらにしろ今できることは、コロナを広げないよう一人一人が注意すること。
「耐えるのよ! ベイスターズファンなら耐えるのは得意よ! 何十年でもね!」
「自虐!!」