「緊急事態宣言解除!」
結乃が宣言した。
「でも、残念ながら私達のいる場所は解除されていないけどね」
「もう少しの辛抱ね」
結乃と理衣は頷き合った。
「でも、宣言解除、平常化に向けてか、康晃マイクも次回予告がなかったわね」
「嶺井選手の後編のことだね」
「いつもなら次の選手へのリレーがあったのに、今回はなかった。開幕に向けて練習が本格化してくることを見越しているのかもしれないわね」
「嬉しいけれど、楽しい企画だっただけにちょっと残念だね」
「でも選手の本職は野球! 野球が出来ることが一番のファンサービスだからね!」
きっと、あと少しです!
「そして今回は、兄貴! 永池恭男よ!」
■横浜大洋ホエールズ
横浜ベイスターズ (1992 - 1997)
■通算 364打数 79安打 打率.217
「万永ときたら永池よね!」
「え、なんで?」
「えっ? なんでって言われても、そういうもんじゃないの?」
「いや、だからなんで?」
同年代(万永の方が一つ上)で、内野のユーティリティ的存在。
目立ちはしないけれど、チームを支える役割的なところが、なんとなく似ていると感じたのかもしれない。
「まあ逆に言えば、万永がいたからトレードに出されちゃったのかもね」
「同じような立ち位置だから?」
「事実は分からないけれどね」
「でもトレードで入ってきた阿波野投手、そして永池選手が入った巨人も優勝したから良かったのかな?」
「そのとき永池が一軍に居たかは分からないけれど・・・・」
巨人、近鉄、楽天と渡り歩き、現役引退後はコーチに。
横浜に戻って来たのは2016年だった。
「兄貴の帰還ね!」
「なんで兄貴?」
「選手達にとって良い兄貴分だからでしょう」
「指導力も評価されているみたいだし、良いコーチとして戻ってきてくれてうれしいね!」
高校時代は通算20本塁打、ドラフト2位で期待されたが、選手として大きな結果は残せなかった。
それでも多くの選手やファンに慕われているのは、永池が持つ魅力であろう。
「そっか、高校では20本も打っていたのね。プロでは非力というイメージだったわ」
「それだけ厳しい世界だっていうことだよね」
指導者として花開き、多くの選手を育てて欲しい。
頼むぜ、兄貴!