「7月まで我慢ね!」
いきなり結乃が言った。
「何が?」
当然のように理衣が問う。
「観客を入れての試合が7月10日めどらしいわ」
「やっぱり球場で応援したいよね」
「とはいっても、観客を入れるとしても当初は5000人とか上限を決めるみたいね」
「仕方ないけれど、寂しいよね」
「大丈夫、ちょっと前の状態に戻るだけよ!」
「そこまで少なくないでしょう!?」
TBSの横浜ベイスターズ時代、それはもう・・・・ね?
■横浜ベイスターズ (1996 - 2001)
■通算 14勝 16敗 1セーブ
「中継ぎローテーションシリーズかな?」
「関口伊織! 先発もやっていたけれどね!」
「えっと、確かに、成績を見ると優勝した1998年に完封勝利している!」
「この頃は本当に、中継ぎも先発もこなして、みたいな投手が多かったわね」
それだけ投手陣はやはり過酷だったということだろう。
「関口も便利屋として、谷間の先発、中継ぎ、ロングリリーフとしてこなしてくれていたのよ」
「左腕ということもあって貴重だよね」
「社会人から入団したこともあって、ルーキーイヤーから活躍してくれて、頼もしい左腕が入ってくれたと思ったものよ」
「そして実際、活躍してくれたんだよね」
大きな体ではないが、小気味良い直球と変化球を放っていた。
「ただ優勝した1998年はまではよかったけれど、1999年以降、ぱたっと結果が出なくなっちゃったのよね」
「なんでだろうね? 怪我ではないんだよね」
「やっぱりプロで長年継続して結果を出すことがどれだけ難しいかってことよね」
「でも、トレードで近鉄に入った年に中継ぎとして活躍してまた優勝したんだよね」
「そういう意味では持っているところあるわよね」
「優勝を経験できないで現役を終える人だって多いもんね」
「なんだかんだ、こういう選手が色々と出てきたからこそ、98年の優勝があったのよね」
「本当にね、それだけ優勝が大変ってことだよね」
「まあ、今年は優勝するけどね!」
「そうだね!」
さて、本当にそろそろ優勝しようぜよ・・・・