2020年7月30日 巨人戦
結果:横浜4-2巨人
敢闘選手賞:大貫、石田、嶺井
「うおお、宮崎の2ランがあってマジ良かったわー!」
結乃が手を組んで天に感謝をささげた。
「さすが岡本選手だけど、ソロHRならオッケーだもんね」
理衣も結乃にならった。
「そう、抑えは、とにかくリードを守り切って試合を終わらせれば良いのよ!」
最終回、岡本に一発を浴びたものの、それでも三嶋は他の三人を三振できってとり二日連続セーブをあげた。
「それにしても、よくもまあ、全員で粘って、勝ちきったわ!」
「本当に、全員野球でもぎとった勝利だね!」
「立役者は何といっても大貫投手! 6回1失点でまたまた好投!」
「何この安定感! 1失点も、不運なものだったしね」
「メルセデス投手で苦戦が予想されただけに、最少失点で凌いだのは大きかったよね」
「平良と並んで右のエースか!」
とにかく、丁寧に。
毎回、ランナーは出すが粘りのピッチングでホームに返すことを許さない。
大貫らしい投球を見せられたのではないだろうか。
「投球だけじゃないわよ、6回の打席では10球以上粘って、それでメルセデスの投球数を増やして7回に繋がったからね!」
「ああいう粘りの姿勢、よいね!」
「その粘りが実ったのが7回! メルセデスも100球を超えてきて、2死ながら1,2塁と、この試合で初めてランナーを2塁まで進めたわ!」
「それだけ抑えられていたんだね・・・・」
しかしチャンスもこの試合、中井はスタメンだったので右の代打はいない。
と思ったら出て来たのは久しぶりの打席となる嶺井。
「その嶺井が同点タイムリー! よく喰らいついたわ!」
「これで大貫投手の負けがなくなったからね」
「気落ちしたのか、やはり力が落ちたのか、続く倉本が勝ち越しのタイムリーまで!」
「いやー、あの回は興奮したね!」
それまで完全に抑えられていたメルセデスから、いきなり連打で勝ち越すのだから野球は分からない。
「でも、大貫だからメルセデスに負けるわけがない!」
「え?」
「大貫のネタといえば」
「メルセデス・ベンツ!」
見事に大貫-メルセデスで勝利したわけだ。
「とはいえ、それで素直に終わるわけがないわ。そこから先はまたピンチの連続」
「7回はまた山崎投手が登板したけれど、2死1,2塁のピンチに」
「本来なら1イニング投げさせるところだけど、チームの勝利が優先。エスコバーを出してなんとか乗り切ったわ」
「問題は山崎投手のプライドとかだよね」
「うーん、抑えじゃない以上、中継ぎならあることよね。落としたほうが本当は良いのでしょうけれど」
チームの勝ちを考えるのならば当たり前とも思える継投だが。
何が正解か。
「さらに8回は無死1,3塁の絶体絶命のピーンチ!」
「でも、ここから石田投手が踏ん張る!」
「石田ならなんとかしてくれるかも、と思っても、本当にやってくれるからね!」
「それに、あの増田選手を見事にアウトにしたからね」
「冷静だったわね。これは大きかった!」
乗り切った石田。
さすがである。
ピンチの後にはなんとやら。
8回、育成上がりの田中投手にプロの洗礼。
「さすが宮崎! あの球を、あの打ち方で特大ホームラン!」
「大きな大きな2ランホームラン!」
抑えは初めての三嶋。
毎試合、抑えることを求められる立場の難しさ。
その三嶋に勇気を与えるホームランだった。
「これでカード勝ち越し! まさか表ローテの巨人に裏ローテで勝ち越せるとはね!」
「これだから野球はね!」
「中継ぎの力で凌いだわね。この先、打線、頼むわよ!」
「また表ローテの阪神さんだもんね」
「なんとか苦手にならないよう、いきたいわね!」
連続カード勝ち越しを狙おう!