2020年10月18日 巨人戦
結果:横浜10-6巨人
敢闘選手賞:梶谷
「うおおお、逆転しちゃった!?」
さすがに結乃が興奮して立ち上がった。
「梶谷選手の逆転満塁ホームラーン!」
理衣が万歳して立ち上がる。
年に数回あるかないか、という逆転勝利であった。
「いやー、相手は苦手の畠、案の定6回までさっぱり打てなくてどんな苦情を言おうか考えていたんだけど」
「そんなことしなくてよくなったね!」
「いや、それとこれとは話が別よ! みんな、はやいカウントからポンポン凡打しすぎ!」
「好球必打のチーム方針だから・・・・」
「それで毎回、畠にやられているじゃない! 畠はスタミナが課題なの分かってんだから、球数投げさせなさいよ!」
「あはは……」
この試合はたまたま逆転できたから良いが、こんな試合は偶々だ。
「もちろん、逆転したこと自体は喜ばしいけどね」
「7回、相手のミスにも付け込んで大逆転だったね」
「柴田の打球をね、吉川も一つアウトとっときゃよかったのに」
無視、3塁、1点が入るのは変わらない。
その後、1死2塁となるのと、無視1,3塁となるのでは全く違う。
「光さんも代打でタイムリー!」
「逆らわずにさすがのセンター前ね」
「さらに戸柱選手、よく四球を選んだよね」
「そうね、ここで戸柱が打ったら良くて三振、それ以外はゲッツーだったでしょうしね」
「酷い・・・・次の打席では三塁打放ったのに」
「それは相手が前進守備だったから」
とはいえ、戸柱の四球が大きかったのは確か。
満塁となり、さらに梶谷の初球がボールとなったことで高梨も余裕はあまりなくなっただろう。
何か打ちそうな雰囲気、予感はあったが。
梶谷が得意なストライクゾーン低めのボールを見事にすくいあげての打球はライトスタンドに突き刺さった。
「おかわりなしの逆転満塁ホームランは気持ち良いわよね!」
「大興奮のスタジアムだったね!」
「さらに次の打席では高めの球をうまく叩いて2打席連続とはおそれいったわ!」
「駄目押しの10点目、だね!」
「そして気が付いたら、7回は5点差で負けていたはずが、8回は5点差で勝っていたという」
「伝説の、5点差が5点差に、だねぇ」
「その因縁の平田が、まだ1点リードの8回にまさか登板するとは思わなかったけれどね!」
「でも見事に無失点に! 平田投手もどんどん信頼度を高めていっているね!」
全く同じとはいかないが、これで平田のトラウマも少しは緩和されると良いのだが。
「これで気持ち良く週明けね! 仕事に学校に気合をいれていきましょう!」
「おー!」
「まあ心配といえば佐野が無安打、一方で中日の大島が絶好調で打率、最多安打も抜かれそうな勢いってところよね!」
「残りわずか、佐野選手、頑張ってください!」
疲れているだろう。
それでも走り抜け、願わくばタイトルが取れたら、嬉しいね。
いや、ここまできたら取ろうぜ、佐野!