「伊藤光とともにトレードできた赤間も戦力外になっちゃったわね」
唸るように結乃が言う。
「残念だね」
理衣は少し沈んだ声色。
これでオリックスとトレードした4人のうち、白崎、高城、赤間の3人が戦力外となったことになる。
高城は横浜が再獲得したとはいえ、両軍にとってあまり良いトレードにはならなかったのが残念だ。
「もうちょっと1軍にあげて投げさせても良かった気がするけれどね」
「二軍では結構投げているもんね」
「見ると33試合に登板、これはチームNo.1の登板数なのよね」
「防御率は3点台後半だけど、それだけ投げてもらってもったいないよね」
「選手間では結構慕われていたみたいなんだけどね」
「球場でもらう紙面に記載されている選手インタビューとかだよね」
「中継ぎとして期待できるかと思ったんだけど、何か首脳陣に訴えるものが足りなかったのかしら」
「あまり2軍の試合も見ていないから偉いことも言えないけどね」
もともと、伊藤光メインと思われるトレード。
赤間の立場的には厳しいのは当初から想定されていた。
それを覆すまでにはいたらなかったようだ。
「この先、どうするか分からないけれど、それでもベイスターズに来てくれてありがとう!」
「次の場所でも頑張ってください!」