「藤岡も戦力外かー」
しみじという結乃。
「ベテランとして良い味を出していたのにね」
理衣も少し残念そう。
2016年に金銭トレードでDeNAに移籍してきた。
当時、中継ぎ陣がヤバい状況で急遽、という感じだった。
そして実際、4月には中継ぎとして活躍し、トレード大成功、藤岡ありがとう!
という状況だった。
ところが、登板過多だったのか、過去からの積み重ねなのか、4月の終盤に肩の故障をしてしまった。
「故障をしてからはなかなか結果が出なかったからねー」
「でも2019年は32試合に登板して結果も出したからね」
「そうそう、その勢いで2020年もと思ったけれど、なかなかそうはいかなかったわね」
「残念・・・・」
右のサイドということではルーキーの伊勢が結果を出した。
あとは進藤あたりだろうが、若い進藤を残すのは妥当といえば妥当か。
「どんな状況でもひょうひょうとした感じで投げるのは良かったし好きだったんだけどね」
「いつもにこにこしている感じだよね」
「伊勢や進藤と異なり、技巧派サイド右腕というのも味があるんだけど、仕方ないといえば仕方ないわよね」
「投手陣では最年長としてね」
「投手陣というか、日本人ではチーム最年長じゃない?」
「確かに」
望まれてDeNAまでやってきて、実際に活躍しだしてすぐの故障。
なんか、申し訳ない気持ちがどうしても出てしまう。
「数少ないベテランとして、アドバイスとかそういうのも期待できたんだけどね」
「ソフトバンク、日本ハムと経験もしてきているしね」
「先頭に立つタイプではないでしょうけれど、温和で慕われそうでもあるしね」
決して目立つ存在ではない、渋い脇役。
それでも、居ることが自然だったような感じ。
「本人はまだ現役を諦めていないのかしら? どうなるか分からないけれど、あたしたちもそこは応援するわ」
「何か良い次の行き先が決まるといいね」
「ベイスターズに来てくれてありがとう!」