「選手会長、石田!」
結乃が気合を入れて言う。
「このシーズンも大活躍だったね」
理衣も笑顔で紹介。
赤いほっぺの健大くんです。
#14 石田 健大
当番試合 : 50
投球回数 : 42 2/3
防御率 :2.53
勝利 : 1
敗北 : 4
セーブ : 0
ホールド : 25
奪三振 : 46
「いやー、本当に今季もお世話になりました」
深々と結乃がお辞儀をする。
「どんな場面でも投げてくれたもんね」
「というかシーズン序盤、困ったらとりあえず石田、みたいな感じだったもんね」
「ホント、ホント。それで抑えてくれるから、また頼っちゃう、みたいな」
ランナーを残した場面での登板。
ここで取られたらまずい場面ばかり。
それでもきっちり抑えて、ずっと無失点を続けていた序盤は素晴らしかった。
ただその分、決まった場面というより、試合状況に応じて登板が決まるような難しいところもあった。
勝ちパターンでのなんでも屋、という難しい立ち位置だった気がする。
「序盤の影響か、その後、さすがに調子を落とした感じだったわね」
「それは仕方ないよね」
「勝利1に対して敗戦4というのが、難しい場面での登板が多かったことを示しているわね」
「そうだよね、そういう場面じゃないと敗戦ってつかないもんね」
それだけ、勝敗に関わるところで登板していたということである。
「先発ローテがきついのはあるけれど、石田が中継ぎにいてくれるのといないのでは全然違うわね」
「本当、本人がどう思っているか分からないけれど、ブルペンを盛り上げてほしいね!」
「とゆーことで、85点! 90点でもよいかなと思ったけれど、選手会長だから」
「よくわからない理由だ・・・・」
「更なる上を期待して。まあでも、投手陣の中では最上級レベルの貢献度の一人だと思っているわ」
「来季も期待したいです!」
「そんな来季だけど、選手会長の職が外れて投げることに専念できるけれど、それはそれとして皆をケアして盛り上げるのは変わらず続けて欲しいわね」
「そうだよねー」
「役割としては中継ぎと思うんだけど、先発ローテが苦しいからまた先発に・・・という可能性がなくもないわね」
「今永投手、東投手が投げられないもんね」
「中継ぎ適性の方がありそうだけど、どうするかしらね。いずれにしても、早いうちに役割は決めて上げて欲しいけれど」
この辺は三浦監督、そしてコーチ陣がどう見極めていくか、か。
若手投手が順調に出てきてくれていれば、中継ぎに選任してほしいのがファンとしての心情である。
「頼りにしているわよ!」
「本心です!」