「今季は助かったわ三嶋!」
結乃が元気いっぱいに言う。
「いきなり抑えにまわったけれど、良かったよね」
理衣も拍手である。
シーズン途中から抑えにまわった三嶋。
成績はこちら。
#17 三嶋 一輝
当番試合 : 48
投球回数 : 47 2/3
防御率 :2.45
勝利 : 3
敗北 : 1
セーブ : 18
ホールド : 5
奪三振 : 46
「康晃の不調で急遽、抑えになったわけだけど、見事だったわね」
「途中からでも18セーブだもんね」
「殆どセーブ失敗無かったもんね」
「確か失敗したのは・・・・」
「あれね、平田のプロ初勝利を消した広島戦ね」
「ああ・・・・」
とはいえ、失敗が皆無な抑えなどいないわけで。
十分すぎる役目を果たしてくれたといえる。
球団もそれを評価し、年棒は1億を超えた。
「抑えになってからの安定感は凄かったわね」
「本当に、どうしちゃったんだろうね」
「まあ、適性はあったんでしょうけど。康晃が不安定だったけに、ひと際良さが目立ったというか」
「球は速い、スライダーにはキレがあって、フォークもあるもんね」
「何よりストレートのキレよね。三嶋のストレートは威力があるわよね」
1イニングで出番も分かることで、全力で投げられることも良かったか。
「あとは、新人の頃から苦労してきたから、その辺も成長につながっているのかも」
「精神的にも強そうだもんね」
「滅茶苦茶、負けず嫌いらしいからね」
「性格的にも抑えにあっているのかもね」
20年シーズンは間違いなく三嶋が守護神だった。
20年に残した実績から、21年も三嶋が守護神候補筆頭だろう。
「康晃は、ちゃんと実力で三嶋を上回って守護神に戻らないとダメよ」
「守護神でも争いがあるのは良いことだよね!」
「これを機に、抑えもレベルアップすると良いわよね。抑えになれなかったからダメってわけでもないし」
「もう一人の抑え候補が中継ぎなら、それはそれで贅沢だよね!」
「もちろん、そこで成績が残せるかどうかは別だけど」
さて、守護神争いはどうなるだろうか。
「ということで、急な抑えの役割も受けて、85点ね」
「90点はいかないの?」
「シーズン通して守護神ではないことを考慮して」
「厳しい!」
さあ、20年度は年間通して抑えとなるか。
そこもまた楽しみにしたい。