「ブルペンリーダーでいてもらいたい三上」
平坦な口調で言う結乃。
「なかなか復活の道は険しいね」
険しい表情を見せる理衣。
手術からの完全復活を目指したシーズンも、厳しい結果に終わった。
#35 三上 朋也
登板試合 : 10
投球回数 : 13
防御率 :2.77
勝利 : 0
敗北 : 0
セーブ : 0
ホールド : 0
奪三振 : 7
「ずっと60試合近い登板をしてきたのが、10登板だからね」
「やっぱり手術の影響は大きいみたいだね」
「元の感覚に戻らない、って言っていたしね」
「だから中継ぎ陣も苦しかったよね」
球速だけなら依然と同じかそれ以上のものを出せてもいた。
だけど、簡単に打たれたりもしていた。
球質なのかなんなのか、やはり手術前とは違うということだろう。
「まあ、もともと三上のストレートは、ルーキー時代のいやらしい動くストレートから変わって打たれやすくはなっていたけど」
「とはいえ、だよね」
「三上の強みは、どんな場面でもテンポよくひょうひょうと投げ込んでくることなんだけどね」
「恐い場面でもストライクに投げ込んでいくもんね」
「そういう精神的な面でも、ブルペンリーダー的なところは期待大なんだけど」
性格的にも皆の支柱になれる存在だと思われる。
だが、手術の代償は大きい。
「果たして依然と同じような輝きを取り戻せるのか。速さだけじゃ駄目だからね」
「伊勢投手とか、若手も出てきているしね」
「三上も当然、それは分かっていて、果たしてどういう方向に向かうのかよね。スライダー以外にシンカーを習得中とかも出ていたし」
「やっぱり、一軍のマウンドで見たいよね!」
あのテンポの良い投球。
あっという間に投げて、あっという間に打たれたり四球を出したりして、でもなんか抑えていたり。
打たれても、四球を出しても、俺悪くないしそれが何か? みたいな感じで投げ続ける姿。
いつも通りの三上をまた見せて欲しい。
「手術をして一年以上は経ったわけで、21年が勝負の年よ!」
「安定した立場なんてないけれど、やっぱり頑張ってほしいよね」
「20年の成績じゃあ、15点くらいだからね!」
「年棒も減っちゃったもんね」
活躍すればまた上がる。
中継ぎでもそれだけ給料がもらえることを見せてくれた。
また、活躍して大幅昇給してください!