「練習試合なんかも着々とやっているわね」
神妙な面持ちで頷く結乃。
「春が近づいてきているよねー」
ちょっとウキウキした感じの理衣。
「しかし、練習試合で結果を気にしないとはいえ、負けが続くわね」
「良いところも悪いところもあるし」
「1軍の試合が負けばっかなのよね」
「攻撃面がうまくいっていないかな」
走塁改革は良いが、盗塁死しまくっている。
ほぼ成功しないのは、この時期とはいえ、「おいおい」と思わなくもない。
「まー、この数年間、作戦としては機能していなかったというか、そういう選手もいなかったからね」
「ほぼ、梶谷選手の力によっていたもんね」
「それでいきなり成功するはずもないけれど、これは先が思いやられるわね」
足が自慢の宮本も盗塁をなかなか決められない。
それで代走の位置を確保というのも難しい。
「それでも、チームとして変わろうとしているのは、楽しみもあるわよね」
「監督がかわるとチームも変わるもんね」
「ましてや外国人選手が来日できないんじゃ、作戦も変わるでしょうし」
「大砲がいなくなるもんね」
宮崎も佐野も中距離バッターだろう。
ましてや佐野は一年しか実績がないわけで。
本当に外国人が間に合わなければ相当に苦しいシーズンになるのは目に見えている。
「バントにしてもエンドランにしても、失敗して、何が悪いか原因分析して、対策して、また試す」
「PDCAを回していかないとね!」
「ただ闇雲に繰り返しているだけじゃないことを信じているわ!」
「その上で、実際にシーズンに入ってどういう作戦を取るか、だよね」
「練習でできない事がシーズンで出来るとも思わないからね。とはいえ実行していかないと経験値は得られないしね」
「実るといいよねぇ」
甘い見通しはしない。
むしろ2021年シーズンは苦しいだろう。
投手陣は今永、東がいなくてもなんとか・・・・と思わなくはないが、攻撃陣はそう簡単に点が取れるような攻撃が出来るようにはならないだろう。
「不安はあるし大変かもしれないけれど、前向きに応援するわよ!」