「最後も酷い打線だったわね」
もはやため息しか出ない結乃。
「オープン戦だと割り切って・・・・」
としか言えない理衣。
この試合も1点だけ。
それも初回、桑原の先頭打者ホームランだけという寂しい内容である。
「打てないのは打てないとして、数少ないチャンスをミスで潰すのも駄目よね!」
「あれは、7回だね」
2死から連打で1,2塁となり、打席には宮本。
見事にライト前にタイムリーを放った!
かと思ったら。
「戸柱がホームインする前に、1塁ランナーの田中俊太が3塁でアウトとか、素人か!?」
「凡ミスだよねぇ」
「戸柱の足を考えて走りなさい! ていうかそもそも3塁が悠々アウトじゃない! どんな判断!?」
「あれはコーチャー?」
「どっちにしてもミスよ、ミス!」
1点かと思ったら、0点でしかもチェンジ。
1点取れていれば、なお1,2塁で攻撃が続いたのに。
「はぁー、まだオープン戦で良かったと思うわ」
「シーズンに入れば同じことは繰り返さないよ!」
「あんなの、滅多にないわよ、練習試合とかでも・・・・」
見ている方も情けなる。
まあ、それ以前に、全然ヒットが打てないわけだが。
「投手の方は、ランナーを出しながらも3点で踏ん張ったけれどね」
「平良投手が5回3失点」
「今のオープン戦なら、入江の方が良いんじゃない? って気がするけれどね」
「安定しないよね」
被安打も多く、特に左打者。
どうにかならないものか。
「うだうだ言っても仕方ないわ! 今の面子でやるしかないんだから、やりなさい!」
「シーズン入ったら快進撃とかあるかもしれないからね!」
「そう、期待よ! 淡い期待!」
「淡いは言わなくていいんじゃ・・・」