結果:横浜10-2ヤクルト
敢闘選手賞:倉本、国吉
「5月、勝率10割!」
拳を高々とあげて結乃が言う。
「最初に勝つとそうだよね」
苦笑いしながら理衣が言う。
酷い結果に終わった4月を終えて5月に突入。
その初戦は、打線がつながって快勝!
ヤクルト戦もようやく今季初勝利となった。
「雨天中断したときは、このままノーゲームでもいいわと思ったわ」
「そのときは1-2で負けていたもんね」
「でも、あの中断で流れ変わったわね」
「そうだね、ゴロのバウンドが変わったのかな? 相手エラーから同点になったもんね」
最終的には快勝でも、決して楽だったわけではない。
「先発が中川の時点である程度は覚悟していたけれど、あの内容じゃ1軍先発は厳しいわよねぇ」
「期待しているんだけどね」
「でも、3回でスパッと見切ったのがよかったわね」
「まだ2失点だったけれど、連続四球で満塁だったもんね。このところ、投手交代が早くなってきたよね」
「徐々にその辺、三浦も分かって来たんでしょ」
もちろんその分、中継ぎに負担がかかる。
それでも今の先発陣には長いイニングを投げられる投手が殆どいないのだ。
中継ぎの負担を分散させながらやりくりするしかない。
「あとを継いだ国吉投手がナイスピッチング!」
「満塁のピンチもだけど、2イニングをぴしゃり!」
「そこで流れを引き戻して、さらに雨天中断、よね」
「その後もヤクルトさんのエラーが出たもんね」
6回、なんでもないような打球を連続エラーして無死満塁。
ここだ、というところで。
「宮崎とソトが連続三振で、また駄目か―、と思ったわよね」
「でもそこで、代打の倉本選手が勝ち越し2点タイムリー!」
「あれで点が入らないと確実にヤクルトに流れがいったでしょうからね、本当にあれは素晴らしかった!」
「間違いなしのヒーロー!」
勝ち越した後は、7回に相手投手陣を攻めて一挙6得点で試合を決めた。
「ベイスターズらしいわよね。一線級には手も足も出ないことが多いけど、投手交代でちょっと落ちると一気に打つと」
「でも、そうやって打てる状態にまで打線も回復したってことだよね」
「そうね、オースティンの状態が上がったのが大きいわよね」
「あわせて佐野選手もチャンスで打てるようになってきたもんね」
「牧が落ちているけれど、そこは全体でカバーね」
「あとはソト選手があがってくればねー」
この日、タイムリーは打ったが、まだまだ。
それでも、こうしてちょっと落ちる投手からでも打つことで状態を上げていってほしい。
「これでようやくヤクルト戦の連敗ストップ! これからは借りを返していくわよ!」
「5月反攻です!」
「とはいえ1、2戦と先発がいずれも3回もたないのはキツイわよ。3戦目の阪口はなんとか5回は投げ切ってくれないと」
「中継ぎ陣が壊れちゃうよね」
国吉、三上は使えまい。
連戦は始まったばかりだというのに、キツイ。
「それでも勝ちを重ねていかないと駄目だからね!」
「皆で負担を分散して!」
中川を落として、誰か中継ぎ補充できないか?
頼みますよ。