結果:横浜5-5中日
敢闘選手賞:佐野、ロメロ、森
「ふぅぅ、負けずにすんだわ」
大きく息を吐き出しながら結乃が言う。
「最後。ドキドキでした!」
理衣も疲れたように言う。
最終回、1死満塁のピンチをどうにか併殺で凌いで引き分け。
かろうじて3連敗を免れた。
「ていうか打線! 6回の無死満塁で点が取れないとか相変わらずなんだから!」
「あそこで点が取れていればね」
「ソト、牧で無得点! はぁぁ、またかという感じよ」
「どうして点が取れないんだろうね」
そしてチャンスを逃した後には。
「5回まで無失点と好投のロメロが6回、先頭に四球を出してランナーをためて、エラーで失点!」
「四球、エラーと、ノーヒットで追いつかれちゃうんだもんね」
「あんな攻撃を見せられたらね。そして相手は満塁から簡単に犠牲フライで勝ち越しを許す、と」
「前の攻撃が攻撃だけに、がっくりだよね」
「更に変わった三上がビシエドにドーン!」
「無死満塁のチャンスを逃した後に一気に5失点。これが流れってもん、なのかな」
「もうこの時点で敗戦だと思ったわよ!」
「ところがところが!」
最近の試合から期待は持てないと思っていたのだが。
「8回、宮崎のタイムリーの後、牧が満塁時の汚名返上とばかりに1点差に詰める2ラン!」
「やられたままで終われないもんね!」
「これで1点差、分からなくなったわね」
「とはいえ、9回は抑えのマルティネス投手が登場するからね」
実際、簡単に2アウトとなった。
「しかしここで、柴田の負傷で1軍登録された森が、ヒット!」
「そして盗塁! ここで決める森選手!」
「佐野も、良いところ、ここで同点タイムリー!」
「足が速いのはやっぱり武器だよね!」
無死ランナー無しから同点に追いついたのも、森の足があってこそ。
よくぞやってくれたというものだ。
「こうして森が活躍してくれる嬉しいわね!」
「今後に未来が楽しみだね!」
「大和がでずっぱりでこのところ内容も落ちてきているから、しばらく一軍で交代しながら出るのはありよね」
「でも中断期間中に柴田選手が治療して戻ってくれば」
「そうね、ベンチに置いておいても意味ないでしょうし、そこは状況次第ね」
とにかく若手にもどうにか頑張って出てきてくれないと本当に将来が恐い。
「追いついた後、三嶋が危なかったけれど」
「最後は併殺打で、引き分けです!」
「いや、喜んでよいわけじゃないけれどね、3タテくらわなかったのは良かったけれど」
「負けるよりははるかに良いよね!」
4点差のビハインドから8,9回で追いついての引き分けだから、多少は気分も良かろう。
「ロメロも好投していたから、あそこで点が取れていればなんだけど」
「でも、次回も期待できそう?」
「スタミナが問題だけど、5回までと思って頑張ってほしいわね」
これで1勝3敗2分けである。
最後は阪神3連戦、3連勝しないと勝ち越しはない。
「今のチーム状態はよくないかもだけど、3連勝を狙いなさい!」
「大貫投手、坂本投手、今永投手、頼みます!」
「阪神は青柳かぁ。苦手だけど、どうにかしなさい!」
「この日終盤の攻撃を忘れないで!」
どうにかいい形で前半戦を終えられるよう、頑張りましょう。