「さあ、今回は打者編よ！」
結乃が微妙に元気な声で言う。
「前回が投手編だったから、今回は打者の前半戦振り返りだね」
理衣が補足する。
投手程悪くはないけれど、打者も色々と課題はあった。
もちろん、収穫もある。
「収穫はまず、牧の台頭ね！」
「ルーキーで開幕スタメンで、しかも結果を残しているもんね！」
「ソト、オースティンの不在ということもあったけれど、結果を出したのは本人の力よ！」
「一塁守備もそつなくこなしていたもんね」
とにかく勝てなかった４月。
ファンにとって、牧だけが希望だった４月でもあった。
「打順が変わったり、ある程度相手にも知られたり、疲れもあったりで、数字は落としていったけれど」
「それでもルーキーとしては立派だよね」
「数字もそうだけど、ベンチでの姿勢もよいわよね」
「声を出して、点が入ったり好プレーでは率先して盛り上げて」
「負けたら誰よりも悔しさを見せてね」
「その姿、立ち居振る舞いは、ロペス選手の再来を思わせたとか！」
とにかく今季だけでなく来期以降も楽しみだし、ベンチでの姿勢は他の選手も見習ってほしい。
「そして復活の桑原！」
「６月以降は絶好調！ 打率もあっという間に３割を超えて！」
「苦しみもしたし、怠慢走塁とかエラーもあったけれど、腐らずに這い上がってきたわね」
「１番打者としてガンガン打ってほしいね！」
出塁率をあげたいというのはあるかもしれないが、四球選んで、というのはあわないのだろう。
初球からガンガンいく。
今は結果も残しているのでそれでよいだろう。
課題は、打てなくなった時にどう対応できるか、か。
「他はなんとも、ね。ソト、オースティンは来日直後はやっぱりなかなかだったけれど、調子をあげてきたし」
「佐野選手は首位打者、宮崎選手も安定して数字は残しているしね」
「光が２番ではまったり、大和が得点圏の鬼になったり」
「色々とあったよね」
「だけど、効率の悪さは変わらないわ！」
「ヒットの割に点が入らないのがね。無死満塁で点が取れないとか」
「ランナー３塁でホームに返す打撃が出来ないのよね。走塁については、役者が変わらない以上はもうどうしようもない感じだけど」
そんな中でオースティンが高い走塁意識を持ってくれているのは、怪我は恐いけれど他の選手にも好影響を与えると思いたい。
「後半戦、いかに効率よく点を取れるか･･･は、そう簡単にいかないだろうけれど、少しでもそうできるように！」
「前半最後に活躍を見せた森選手が一軍でまだ残って出続けられるかでも少し変わりそうだね」
「あとはもう、一発長打で得点を！ ってのは変わらないでしょうから、それがいかに出せるかね」
「夏場でＨＲ量産を期待！」
あとはやはり、打線の役者は層が薄いので、主力に怪我人を出さない事。
そうすれば、ある程度、点は取れる・・・のだろうか？
「ここも、牧、森だけじゃなく、山本とか来季以降も見据えた起用も少しずつできているし、それを継続」
「未来のスターをお待ちしています！」
なんだかんだ、横浜らしい数字を残した前半戦だったのかもしれない。
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