「育成のコルデロかー。正直、よくわからないわ!」
結乃がきっぱりという。
「まあ・・・ね」
理衣の反応も微妙である。
数年前から積極的に育成契約の若手外国人選手を入れているが、なかなか支配下登録まで至らない。
他の球団はそういうところから戦力になっている選手も出ていたりするのだが、横浜はなかなかそううまくいかない。
左腕の投手ということで、ある程度の力が付けば出番も期待されたが、かなわなかった。
「とはいえ、BCリーグの横浜に入るみたいだから、もうしばらく日本で頑張って、またプロを目指すのかもね」
「頑張ってほしいよね!」
「チームとしても、育成で獲得した外国人選手が活躍するという成功例が欲しいでしょうけど、なかなかうまいかないわね」
「諦めずに頑張ってほしいね!」
「コルデロは他に情報を持っていないから・・・他ということで、宮崎が6年契約ね!」
「うわーい! ありがとう、宮崎選手!」
「FAは選手の権利だし、宣言するにしてもその決断を応援するしかないとは思っていたけれど、予想以上に球団が頑張ったわね!」
「6年契約ってすごいよね!」
契約の最終年には38歳から39歳になるシーズン。
当然、これから年齢もあって成績が落ちる可能性は少なくない。
怪我のリスクもある。
「そのリスクを考えても球団は絶対に必要だって考えたんでしょうね」
「あの打撃技術は他に流出させたらダメでしょ!」
「今まで大きな怪我無く、安定した成績を出し続けているから、そういう点も含めているんだろうけれど」
「言葉少なくても、そのバットでひっぱるぷーさん!」
チームとしては引退後のコーチとしても考えているだろう。
ファンの人気も高いし、この球団の条件も、宮崎の決断も、大いに歓迎したい。
「仮に成績が落ちたとしても、どうこう言うつもりはないわよ! ただ、忖度した起用だけはしないでほしいけどね」
「そういうところが難しくなるよね」
「ま、今からそれを言っても仕方ないし。これで宮崎は生涯横浜、その間になんとしても優勝したいわね!」
「そうだね、その間と言わずに、22年にも!」
とにかく、生え抜きの主力スター選手がFA流出しなかったことを喜びたい。
エスコバー、ソトの残留も確定し、あとはコーチ陣か。
「タカノリの入閣は決まったけれど、これで終わりじゃないでしょうね!」
「まだ他の動きが聞こえないけどね」
「まー、まだCS、日本シリーズと終わらないと発表できないこともあるでしょうし、その辺に期待したい!」
さてさて。
どうなるでしょうか。